ネットを使って誰でも手軽に情報が得られる今、私達は専門分野でなくても出来ることが増えました。しかし世の中にはその道のプロというものが存在し、プロとしての長年の知識や経験がないと出来ないことがあるのも事実です。
そんなプロの仕事ぶりを本で読んで気軽に楽しめる本を3冊紹介致します。
「バンド臨終図巻」
速水健朗、円堂都司昭、栗原裕一郎、大山くまお、成松哲
5人の音楽ライターが集めた資料を元に、様々なバンド、ユニット、グループの解散理由がまとめられた本。
何よりの特徴はWikipediaやネット上の噂話は資料から排除され、メンバーや関係者のメディア上での発言のみを元に書かれていること。
バンドの解散理由について一般的に語られていた噂話が、プロが集めた資料によって覆されている事例がたくさん見受けられる本。おすすめです。
「空想科学読本」
〜16巻他シリーズも刊行中
柳田理科雄
東大理科I類に進学した後に塾講師を経験した著者が、特撮ヒーローや漫画やアニメに科学的な視点からひたすらツッコミを入れ…るのではなく分析している本。各作品の公式データを元に物語上のことが実際に行われたらどうなるかが綴られています。
個人的にはウルトラ怪獣のゼットンが1兆度の火の玉を吹いたら地球人だけでなく北斗七星人も150年以内に全滅するという話が好きです。
「『罪と罰』を読まない」
岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美
ドストエフスキーの名著「罪と罰」を読んだことがない作家と翻訳家が4人集まって、適当に開いたページの一部分だけを元に一体どんな話なのかを勝手に想像している様を座談会形式で読むという本。
その推理力と物語の構成力に抱腹絶倒しつつも、後日きちんと本作を読んだ著者達の感想や考察も楽しめます。「罪と罰」を読んだことがある人もない人も楽しめる本。
さいごに
プロとアマチュアの境目が曖昧になっている今だからこそ、プロの仕事というものの価値も高くなっているのではないでしょうか。その道を極めることは一朝一夕には叶いませんが、本を通じて楽しむことは誰でも手軽に出来ます。プロの仕事のいいとこ取りが出来るのも読書体験の楽しみの一つではないでしょうか。