爆笑問題・太田光さんのおすすめ本
高校時代に亀井誠一郎さんの「青春について」を読んでから読書好きになったという太田光さん。
爆笑問題としてコメディアンの顔を持つ一方、多才で頭の切れる方です。トーク番組でみる太田さんの目はいつも鋭くどこかを見ているかのよう。
時にシニカルに、そして笑いに変えていくユーモアのセンスは読書習慣から培われているのかもしれません。
今回は、多くの本の帯や書評を書いていらっしゃる太田光さんのおすすめ本を紹介いたします。
爆笑問題ファンの方はもちろん、男性におすすめです。ぜひ手に取ってみてくださいね。
タイタンの妖女
カート・ヴォネガット・ジュニア (著) (早川書房)
古典SFの名著といわれる作品で、太田さんが個人事務所を設立するとき、事務所名の由来となった作品だそうです。
時空を自由に移動できる人間ラムファードが人類救済のために宗教をつくったり、富を築いたりと様々な計画を実行して人類を導いています。ところが人類が抱いているのは運命によって翻弄される虚しさと無意味さ。
生きていくということはどういうことなのかを考えさせられる作品です。
すべて真夜中の恋人たち
川上 未映子 (著) (講談社)
夜と光が交わる穏やかで美しい恋愛物語。
友達も恋人も上手に交わることができない34歳の冬子は、ついに酒に溺れるようになってしまいます。そんなときに一人の男性と出会い、初めて心を開こうとします。
ストーリーに大きな展開がなく、淡々と進んでいくのに、それぞれの人間性や価値観が描き出されている作品。
文庫版の帯を太田さんが担当し「天才が紡ぐ繊細な物語に超感動」と絶賛されていました。
孤独を感じているすべての人におすすめしたい一冊です。
円朝〈上・下〉
小島 政二郎 (著) (河出書房新社)
著者は作家であり、人情噺を確立した円朝のお孫さん。近代落語の礎を築いた円朝の生涯と芸について書かれた長編小説です。
落語のことなんて分からないという人でも大丈夫。ハラハラドキドキさせられる展開で話に引き込まれていくエンターテイメント作品です。
円朝さんの芸に対する敬意や苦悩、揺るがない信念はどんなお仕事をされている方も共感し憧れの存在になるはず。
夢を追っている人や職人気質な方、芸能が好きという方にもおすすめです。
どの小説も一度読んだら忘れられないような強烈なインパクトを与えてくれる作品ばかり。太田光さんらしい個性が光るセレクトです。
今後とも読書家としても多くの本を紹介して楽しませてほしいと期待しています。