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【100%ORANGEおすすめ本】100%ORANGE6選

100%ORANGEの絵本を初めて選ぶなら、年齢だけでなく「言葉のリズムを楽しみたい」「親子で笑いたい」「絵そのものを眺めたい」といった読み方から考えると選びやすい。代表作には、牛乳をこぼした朝が大事件へ変わる物語から、丸や三角を見つめる赤ちゃん絵本まで幅がある。ページをめくるうち、いつもの食卓やお風呂、冬の部屋が、少しだけ別の景色に見えてくる。

読む目的別の入り口

100%ORANGEとは

100%ORANGEは、及川賢治と竹内繭子によるイラストレーターユニットだ。イラストレーションだけでなく、絵本、漫画、アニメーションまで幅広く手がけてきた。新潮文庫の「Yonda?」の仕事で、その絵を記憶している人もいるだろう。

絵本を開いたときにまず目に入るのは、線の少なさと色の強さだ。描き込みで画面を満たすというより、必要なものだけを置く。空白がしっかり残っているので、小さな子どもの視線でも「いま何を見ればいいのか」がつかみやすい。その一方で、大人が眺めると、配置や余白そのものがデザインとして気持ちよく見えてくる。

物語にも同じ軽さがある。牛乳をこぼす。お風呂に入る。穴のあいたセーターを着る。入口だけを見れば、どれも生活の中の小さな出来事だ。ところが、その小ささを起点にして、現実の縮尺がずれたり、物が思いがけない役割を持ったりする。

その特徴がよく表れている代表作が『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』だ。第13回日本絵本賞大賞を受賞しており、100%ORANGEの作品一覧をたどるうえでも中心に置きやすい。ただし、整った教訓や明快な着地を求めると、ナンセンスの飛躍に戸惑うこともある。そこまで含めて、このユニットらしい。

赤ちゃんと見るなら形と言葉へ、少し大きくなったら物語とユーモアへ、さらに絵そのものが好きになったら造本やものづくりへ。成長とともに入口を変えられるところが、100%ORANGEの絵本の面白さだ。

年齢別に選ぶ最初の1冊

0〜2歳ごろなら『まる さんかく ぞう』から入りたい。ページに現れるものを声に出し、指をさし、「ぞうだね」「まるだね」と一緒に眺めるだけで成立する。物語を最後まで聞く力を求めないので、初めての絵本にも合わせやすい。

2〜4歳ごろには『おふろのおふろうくん』。身近なお風呂が空想の遊び場へ変わっていくため、毎日の生活と物語を結びつけやすい。3、4歳以降で、少し長い飛躍を楽しめるようになったら『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』が面白くなる。

『ねこのセーター』は、筋の強い物語よりもキャラクターの味を楽しめるころに向く。そして大人も一緒に絵や本という物そのものを楽しみたいなら、エルメスの2冊へ進む。この6冊は難易度順というより、子どもの「いま面白いもの」に合わせて入口を変えるのがいい。

日常から空想へ飛び出す100%ORANGEの代表作

1. よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし(岩崎書店)

 

 

朝ごはんを食べていたよしおくんが、うっかり牛乳瓶を倒してしまう。始まりは、それだけだ。子どものいる食卓なら珍しくもない出来事で、コップが倒れた瞬間に「あっ」と声が出る、あの小さな事故である。

ところが、この絵本はこぼれた牛乳を雑巾で拭いて終わらせない。牛乳は勢いを増し、食卓という小さな現実からどんどん外へ出ていく。最初の数ページにあった日常の縮尺が、いつの間にかとんでもなく大きくなっている。その飛躍に100%ORANGEらしいナンセンスが凝縮されている。

面白いのは、奇想天外な出来事を説明しすぎないことだ。「なぜそんなことになるのか」という大人の疑問を置き去りにしたまま、牛乳は流れていく。子どもは理由より先に絵を受け取る。白い液体が広がる。それだけで十分に事件なのだ。

読み聞かせでは、文章をきれいに読むことより、出来事が大きくなる速度を楽しみたい。「まだ出るの」「どこまで行くの」と声が出てきたら、その反応ごと物語になる。ページを急いだり、逆に牛乳の広がった画面で少し止まったりすると、絵本の呼吸が変わる。

第13回日本絵本賞大賞を受賞した作品でもあり、100%ORANGEの代表作から一冊だけ選ぶなら、やはり筆頭に置きたい。ただ、万人が同じところで笑う絵本ではない。筋道の通った物語を期待すると「どうしてこうなるのだろう」と置いていかれることもある。意味のなさを楽しめるかどうかで、好き嫌いが分かれやすい。

むしろ子どものほうが強いことがある。積み木を一つ倒したことが世界の終わりのように感じられたり、水たまりが海に見えたりする時期には、現実と想像の境目がまだ柔らかい。よしおくんの牛乳も、その感覚の延長にある。

3、4歳ごろから楽しめるが、小学校低学年で読んでも面白さは残る。文字や筋を自分で追えるようになると、今度は「こんな話を作ってもいいんだ」という方向へ興味が動く。読んだあとに「ジュースをこぼしたらどうなる?」と続きを考えてみるのもいい。

何かを失敗した日の夕方にも、この絵本は妙に似合う。こぼしてしまったものは元には戻らない。でも、失敗から始まる話だってある。子どもを励ます言葉をわざわざ足さなくても、ページの中で失敗が巨大な冒険へ変わっていく。その転換を一緒に笑えるのが、この代表作の強さだ。

2. まる さんかく ぞう(文溪堂)

 

 

『まる さんかく ぞう』は、100%ORANGEを0〜2歳ごろから楽しむなら、最初に手に取りやすい一冊だ。まる、さんかく、しかくといった形に、ぞうや身近なものが混ざっていく。物語を理解してもらおうと力む必要はない。

ページに置かれた形は大きく、色は鮮やかで、言葉も短い。まだ「これは円である」「これは三角形である」と分類する前の子どもでも、輪郭そのものを目で追える。20ページという短さも、長く座っていることが難しい時期にはちょうどいい。

タイトルだけを見ると、色や形を教える知育絵本のようにも見える。ただ、実際の魅力は「覚えさせること」より、並びの妙にある。「まる」「さんかく」と続いているところへ突然「ぞう」が来る。分類のルールから少しだけ外れる瞬間が、言葉のリズムを遊びへ変える。

だから、読み聞かせる大人も先生にならなくていい。「これは何色?」「この形は何?」と毎回問題にしてしまうより、まずは声に出す。まる。さんかく。ぞう。少し大げさなくらい音を切って読むと、意味を知らない赤ちゃんにも語感が届く。

0歳では色と輪郭を追い、1歳では知っているものを指さし、2歳になると声を合わせて言葉を繰り返す。同じ一冊でも、年齢によって遊び方が変わっていく。読み終えることより、途中の一ページで立ち止まることが許される絵本だ。

3歳くらいになると、今度は「どうしてここにぞう?」というズレを笑えるようになる。赤ちゃん絵本として買ったものが、思ったより長く棚に残るのはこういう本だろう。シンプルだから幼いのではなく、シンプルだから読み方を足せる。

絵本をなかなか見てくれない時期にも試しやすい。大きな物語を聞かせようとすると逃げてしまう子でも、数秒だけ形を見ることならできる。膝の上で最後まで読む必要もない。床に置き、子どもが気になったページだけ開く読み方でも十分だ。

100%ORANGEの絵を知るうえでも重要な一冊である。線と色と余白だけで、どこまで楽しくできるか。その感覚が一番むき出しになっている。絵本の時間を「お話を静かに聞く時間」に限定しないでくれるところが、この小さな本の良さだ。

3. おふろのおふろうくん(文溪堂)

 

 

お風呂の湯気の向こうから船がやってくる。釣りをしているのも、潜水艦に乗っているのも、おふろうくん。『おふろのおふろうくん』は、毎日入っている浴室を、そのまま空想の海へ変えてしまう絵本だ。

子どもにとって、お風呂は大人が思うより広い。洗面器は船になり、おもちゃは乗り物になり、湯船の縁は岸になる。現実の大きさと想像の大きさが自然に入れ替わる。その感覚を、100%ORANGEのすっきりした絵が軽やかに見せる。

物語には「いるのは誰だろう」と答えたくなるようなリズムがあり、読み聞かせでは子どもが途中から参加しやすい。同じ名前を繰り返すだけでも面白くなり、何度か読むと次の展開を先回りして答えるようになる。読む側と聞く側が一緒に作れるタイプの一冊だ。

『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』ほど遠くまで暴走しないので、ナンセンス絵本に初めて触れる子にも入りやすい。生活の中に片足が残ったまま、想像だけが少し遠くへ行く。その距離感が2〜4歳ごろによく合う。

特に、お風呂へ行くまでに毎晩ひと苦労する時期に置いておくといい。もちろん、この本を読めば急にお風呂好きになるとは限らない。それでも、「入らなければならない場所」だった浴室に、船や海の記憶が一つ加わるだけで、翌日の見え方は少し変わる。

一方で、複雑なストーリーを求める読者にはあっさり感じられるかもしれない。大きなどんでん返しや教訓を期待する本ではない。面白さの中心にあるのは、お風呂という限られた場所の中で空想だけが大きく膨らんでいく、その反復だ。

読み終わったあと、実際のお風呂で「今日は何に乗る?」と聞いてみるのもいい。泡を島にしたり、タオルを何かに見立てたり、絵本から現実へ遊びが戻ってくる。物語を理解したかどうかではなく、遊びが一つ増えたかどうかで読後を測れる。

100%ORANGEの作品を家族の時間に近いところから知りたいなら、この本はかなり使いやすい。湯気、あたたかい水、狭い浴室。その身近な感触から世界が広がる。大げさではないのに、いつもの生活を空想の入口へ変えてくれる一冊だ。

4. ねこのセーター(文溪堂)

 

 

寒がりで、なまけもので、少しせっかち。『ねこのセーター』の主人公は、きちんとしたお手本からかなり遠いところにいる。穴のあいたセーターを着たねこの姿には、第一印象からどこか頼りなさが漂う。それなのに、ページをめくっていると妙に目が離せなくなる。

この絵本は、立派に成長する主人公を見守る話ではない。ねこはねこの調子で暮らしている。どんぐりに帽子をかぶせる仕事もするが、勤勉な働き者という感じではない。その「ちゃんとしていなさ」がキャラクターの魅力になっている。

子どもの絵本では、つい「何を学べるか」を探してしまうことがある。早起きする、片づける、友達にやさしくする。もちろん、そうした本が必要な日もある。しかし毎日正しくなる話ばかりでは、読むほうも疲れる。ねこのだらりとした姿は、その反対側にいる。

だから、予定どおりに物事が進まなかった日の夜によく似合う。靴を履くのにも時間がかかり、着替えは途中、片づけたはずの玩具がまた床に広がっている。そんな日に「ちゃんとしよう」というもう一冊を足すより、このねこと一緒に少し力を抜くほうが合うこともある。

冬の絵本としても選びやすい。セーターという物の手触り、寒がりなねこの様子、静かな生活の空気が、暖房のついた部屋で読む時間とよくなじむ。クリスマスのような大きな行事ではなく、冬の日常を置いておきたい本棚に合う。

ただし、強い事件が次々に起こる作品ではない。展開の速い絵本が好きな子には、最初は地味に映るかもしれない。その場合は物語を追わせるより、ねこの表情や服、どんぐりなど、気になるところを一緒に眺めるほうが楽しみやすい。

3〜5歳くらいになると、「このねこ、だめだね」と笑いながら、自分とは別の誰かとしてキャラクターを見る面白さが出てくる。ところが、大人が読むとその印象が少し変わる。完璧ではなくても一日は進む。そういう緩さが、むしろ羨ましく感じられることがある。

100%ORANGEの代表作を何冊か読んで、絵の中にある「とぼけた間」が好きになった人には外しにくい一冊だ。大声で笑わせるのではなく、口元が少し緩む。冬の午後のような速度で進むこの本は、作風の別の面を見せてくれる。

絵本から「つくること」へ進むエルメスの2冊

5. エルメスのえほん おさんぽステッチ(講談社)

 

 

『エルメスのえほん おさんぽステッチ』は、これまでの4冊とは少し空気が違う。犬が首輪を作ってほしいと訪ね、りすはかばんを、カンガルーはポケットを望む。物を作ることと、誰かの願いを聞くことが、物語の中心に置かれている。

ブランドの名前が大きいので、最初は「エルメスの広告のような絵本なのでは」と身構える人もいるかもしれない。しかし、子どもがページで出会うのは、商品の知識よりも手仕事の感覚だ。必要なものを考え、手を動かし、形にする。その過程が物語として進んでいく。

100%ORANGEのシンプルな線は、この題材と相性がいい。職人仕事を細密な図解にせず、子どもの目が追える形に軽くする。一方でA4変型の大きなページには余白があり、色や配置をゆっくり眺められる。読み聞かせる本であると同時に、開いて眺める本でもある。

幼児向けの絵本としては価格もサイズも少し特別なので、最初の一冊として無理に選ぶ必要はない。まず100%ORANGEのユーモアを知りたいなら『よしおくんが〜』、小さな子なら『まる さんかく ぞう』のほうが入りやすい。この本は作風を気に入った後に置くと役割がはっきりする。

反対に、誕生日や入園、ちょっと特別な贈り物にはよく似合う。絵本を読み終えたあとも、本そのものを手元に置いておきたくなる造りだからだ。子どもの本棚から役目を終えたあと、大人の棚へ移っても違和感が少ない。

ものを作ることが好きな子には、物語の先も広げやすい。紙を切る、布を触る、箱を組み立てる。「何を作りたい?」という会話へ自然につながる。完成品を見るだけではなく、手を動かす人へ視線が向くところが、この絵本の大切な部分だ。

また、「誰かに何を作ってあげるか」という発想には、相手を見る時間が必要になる。犬なら何がいるのか、りすなら、カンガルーなら。ものづくりは、自分の技巧を見せるだけではなく、相手の暮らしを想像することでもある。その感覚を説明臭くせずに渡してくれる。

100%ORANGEの作品をアート絵本として楽しみたい大人にも向く。絵を読む、色を見る、紙の上の余白を味わう。子どもが先にページをめくり、大人があとからもう一度開く。そんな二度読みのできる一冊だ。

6. エルメスのえほん くるくるとステッチ(講談社)

 

 

『くるくるとステッチ』では、視線がさらに小さなものへ移る。主人公は糸巻の「くるくる」。旅先でさまざまな道具たちと出会い、その中で自分だからできることを見つけていく。前作の世界を受け継ぎながら、今度は道具の側からものづくりを見る物語だ。

はさみや針、糸といった道具は、子どもにとって身近でありながら、まだ自由に使わせてもらえないものでもある。大人の手の中で動いていた物に役割や性格が与えられると、作業台そのものが舞台のように見えてくる。

前作が「相手のために作ること」へ目を向けていたのに対し、こちらでは「自分に何ができるのか」という感覚がより前へ出る。ただし、能力を競う話ではない。仲間となる道具と出会い、一緒に働く中で役割が見えてくる。その静かな展開がいい。

子どもが幼稚園や保育園で集団の活動を始めるころには、「みんなと同じようにできない」という場面も増えてくる。そんな時にこの本を読むと、「全部できること」と「自分にできること」は違うのだという見方を、言葉で説教せずに置いてくれる。

もちろん、その教訓だけを取り出して読む必要はない。糸が伸び、道具が動き、色がページを渡っていく視覚的な楽しさが先にある。絵本はまず絵本として面白く、そのあとに意味がついてくるくらいがちょうどいい。

単独でも読めるが、『おさんぽステッチ』を先に読んでおくと、同じものづくりの世界を別の高さから眺める面白さが増す。おじさんの仕事を見るところから、糸や道具の側へ近づいていく。この順番ならシリーズの広がりを自然に感じられる。

100%ORANGEの初めての一冊というより、絵や世界観を気に入ってからたどり着きたい後半の本だ。前半4冊にあったナンセンスや脱力とは違い、ここでは手を動かすこと、仲間と作ることの喜びが前面に出る。その違いが、作品の幅を見せてくれる。

読み終えたあと、裁縫箱や工作道具を見る目が少し変わるかもしれない。普段は引き出しの中にしまわれている一つひとつの道具にも、役目がある。何かを完成させる前には、小さな仕事がたくさん連なっている。その見えにくい時間を想像できるようになる一冊だ。

対象年齢別に選ぶなら

赤ちゃんの最初の一冊なら『まる さんかく ぞう』が頭ひとつ抜けて選びやすい。文字を理解する前から、色、形、音で参加できる。0歳では見せるだけ、1歳では指さし、2歳では言葉をまねる。年齢によって同じ本の使い方を変えられる。

2〜4歳ごろなら『おふろのおふろうくん』。毎日の生活と想像遊びが地続きになっているため、ストーリーの入り口をつかみやすい。3、4歳以降で「もしこうなったら」という飛躍を楽しめるなら『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』へ進みたい。

『ねこのセーター』は人物ならぬ「ねこ物」を眺める面白さが出てくるころに。エルメスの2冊は年齢だけで線を引くより、工作や絵、ものづくりに興味が出てきた時を目安にすると選びやすい。大人と一緒に眺めるなら年齢を問わず楽しめる。

読み聞かせに向く作品

声を使った読み聞かせの楽しさが最も出やすいのは、『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』と『おふろのおふろうくん』だ。どちらも、出来事を予想したり、繰り返しに答えたりする余地がある。読み手が一方的に進めず、子どもの声を途中に入れると面白くなる。

『まる さんかく ぞう』は、物語を「聞かせる」より、一緒に言葉を鳴らす本だ。読み聞かせの途中でページが止まっても問題ない。反対に『ねこのセーター』は、少しゆっくりした時間に向く。展開を急がず、ねこの様子を眺めながら読むと味が出る。

エルメスの2冊は、読み終える速さより絵を見る時間を多めに取りたい。大人数のおはなし会で勢いよく読むより、一対一や家族でページに近づき、細部を見つけながら読むほうが魅力を拾いやすい。

季節・生活テーマから選ぶ

冬の一冊なら『ねこのセーター』。セーターの存在だけでなく、ねこの暮らしの速度そのものに寒い季節の空気がある。お風呂の時間を楽しくしたいなら『おふろのおふろうくん』、季節を問わず赤ちゃんと開くなら『まる さんかく ぞう』が使いやすい。

食卓の失敗まで物語に変えたい日は『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』。工作や手仕事に興味が向いている時期ならエルメスの2冊へ。同じ作家の絵本でも、読む場面を変えるだけで選び方はかなり変わる。

100%ORANGEらしさが分かる代表作はどれか

一冊だけなら『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』を選びたい。身近な出来事から始まり、説明のつかない方向へ想像が伸び、シンプルな絵のまま世界だけが巨大になる。ユーモア、余白、日常と空想の距離感がまとまっている。

ただし、絵のデザイン感覚を最も裸の状態で味わいたいなら『まる さんかく ぞう』も外せない。キャラクターのとぼけた魅力なら『ねこのセーター』。代表作は一冊に固定するより、「物語」「造形」「キャラクター」のどこに惹かれたかで次を選ぶと、100%ORANGEの作品一覧が立体的に見えてくる。

エルメスの絵本を読む順番

今回紹介した2冊なら、『エルメスのえほん おさんぽステッチ』から『エルメスのえほん くるくるとステッチ』の順が自然だ。

最初の『おさんぽステッチ』では、職人と動物たちの関わりを通じて、ものづくりの世界を外側から眺める。次の『くるくるとステッチ』では、糸巻や道具の側へ視点が近づく。同じ世界に入り直すことで、作る人だけでなく、材料や道具まで含めて一つの仕事ができていることが見えてくる。

ただ、シリーズをそろえること自体を目的にする必要はない。贈り物として一冊選ぶなら『おさんぽステッチ』だけでも十分に完結している。そこからものづくりの世界をもっと見たくなった時に、2冊目へ進むくらいがちょうどいい。

旧版と復刊版を購入するときの注意点

『おふろのおふろうくん』と『ねこのセーター』は、以前の版を見かけることがある。今回紹介しているのは、どちらも文溪堂から出ている版だ。古書や中古本まで含めて探すと別の出版社名が表示される場合があるので、同じ題名の本を二冊別作品だと思わないようにしたい。

内容を読むことが目的なら、まず書名と出版社を見れば整理しやすい。特に子どもの絵本は、復刊や再刊で表紙や価格の印象が変わることがある。100%ORANGEの作品をそろえる時も、版違いを作品数として数えるより、一つの物語として選ぶほうが分かりやすい。

関連グッズ・サービス

本を読んだ後の楽しみを生活に根づかせるには、絵本に触れる時間そのものを作りやすくしておくといい。

電子書籍の選択肢を広げる

親が次に読む絵本や児童書を探したい時には、電子書籍の読み放題も選択肢になる。対象作品は時期によって異なるため、紙の絵本と役割を分けて使うといい。

Kindle Unlimited

耳から物語を楽しむ時間を作る

家事や移動中など、本を開きにくい時間にも物語へ触れたい家庭では音声作品が使いやすい。絵を見る絵本とは違う体験だからこそ、読み聞かせとは別の時間として組み合わせられる。

Audible

表紙を見せて置ける絵本ラック

100%ORANGEの絵本は、背表紙だけでなく表紙を見せて置きたくなる。子どもの目線の高さに数冊だけ表紙を出しておくと、「読んで」と言われる前に自分で一冊を選びやすい。季節ごとに『ねこのセーター』などを入れ替える楽しみも生まれる。

まとめ|迷ったらどの絵本から読むか

100%ORANGEの絵本をたどると、白い牛乳があふれる朝から、丸や三角の色、お風呂の湯気、穴のあいたセーター、針と糸のある仕事場へと景色が移っていく。作品ごとに題材は違うのに、いつもの世界をほんの少しだけずらす感覚は共通している。

初めてなら『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』。0〜2歳ごろなら『まる さんかく ぞう』。生活に近い読み聞かせなら『おふろのおふろうくん』。冬のゆるい時間には『ねこのセーター』がいい。

そこから絵や造本まで好きになったら、『エルメスのえほん おさんぽステッチ』『エルメスのえほん くるくるとステッチ』へ進む。読む順に唯一の正解はない。子どもがいま何を見つめているかを手がかりに選べばいい。

まず一冊、表紙を見て親子で気になったものから開いてみてほしい。

100%ORANGEの絵本に関するFAQ

100%ORANGEとは誰ですか?

100%ORANGEは、及川賢治と竹内繭子によるイラストレーターユニットだ。絵本だけでなく、イラストレーション、漫画、アニメーションなど幅広い制作を続けている。新潮文庫「Yonda?」のイラストでも知られ、『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』では第13回日本絵本賞大賞を受賞した。

100%ORANGEの代表作を一冊選ぶならどれですか?

最初に読む代表作としては『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』が選びやすい。身近な失敗から想像が大きく飛躍する物語、少ない線と色、ナンセンスなユーモアが一冊にまとまっている。形やデザインそのものを楽しみたい場合は『まる さんかく ぞう』から入るのもいい。

0歳、1歳、2歳から読める100%ORANGEの絵本はありますか?

乳幼児の最初の一冊には『まる さんかく ぞう』が合わせやすい。短い言葉と鮮やかな色、単純な形を中心に構成されており、物語を理解できなくても楽しめる。0歳では眺める、1歳では指さす、2歳では言葉を一緒に言うというように、成長に合わせて読み方を変えられる。

読み聞かせにはどの作品がおすすめですか?

親子で声を掛け合って読むなら『おふろのおふろうくん』、物語がどんどん大きくなる楽しさを味わうなら『よしおくんが ぎゅうにゅうを こぼしてしまった おはなし』が向く。静かな時間には『ねこのセーター』もいい。作品によって、勢いよく読むか、絵を眺めながらゆっくり読むかを変えると魅力が伝わりやすい。

『おふろのおふろうくん』『ねこのセーター』には古い版もありますか?

どちらも以前の版があるため、中古本や古書まで広げて探すと異なる出版社名の本が見つかることがある。この記事で紹介しているのは文溪堂版だ。同じ題名の版違いを別作品と考える必要はなく、現在手に取りやすい版を一冊選べば十分に作品を楽しめる。

エルメスの絵本はどちらから読めばいいですか?

今回紹介した2冊なら、『エルメスのえほん おさんぽステッチ』から『エルメスのえほん くるくるとステッチ』へ進むと流れをつかみやすい。最初は職人と動物たちを通してものづくりに触れ、次に糸巻や道具の側へ視点が近づく。贈り物として一冊だけ選ぶ場合は、最初の『おさんぽステッチ』だけでも楽しめる。

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