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【おばけ 読み聞かせ】読み聞かせができるレベルのゆうれい話。おすすめ小説。

子供が持つ未知なるものへの興味というのは果てしないものです。
それは時にはファンタジー小説的なものに向いたり、あるいは冒険物に興味が向いたりします。
でも人間とは不思議なもので根源的な恐怖にも多大な感心を持つのです。
そんな“おばけ”話の中でも読み聞かせに耐えられるようなソフトなものをご紹介します。

 

『おしいれのぼうけん』

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

さくら保育園には、こわいものが2つあります。1つはおしいれで、悪いことをすると入れられます。おしいれの中は真っ暗でこわくて、入れられた子は泣きだします。
もう1つは、「ねずみばあさん」。先生がやる人形劇の主人公で、ねずみばあさんが睨むと、猫も動けなくなってしまうのです。
お昼寝の時間に騒いだ、あきらとさとしは、おしいれの上のだんと下のだんに入れられました。ふたりは、手をつないでがんばります。でも、そこにねずみばあさんがあらわれて......。
こわいおしいれも、子どもの想像力で楽しい冒険の場所になるんですね。ふたりの冒険はかなりこわく、それだけに助かったときのよろこびは大きいものになります。
困難を乗り越えていく男の子を描いた絵本で、やんちゃな男の子の読み聞かせにおすすめです。

 

『ゆうれいフェルピンの話スモーランドでいちばんこわいゆうれい』

ゆうれいフェルピンの話―スモーランドでいちばんこわいゆうれい (大型絵本)

著・アストリッド・リンドグレーン
むかし、スモーランドにすんでいたフェルピンは、白いシーツをかぶってオルガンひきを脅かしました。ところが、ばちがあたったのか、フェルピンはドアにはさまって、血が凍ってしまったのです。
生きたまま死んでしまったフェルピンは、100年のあいだ、壁にたてかけられたままでした。こわいものしらずのおてつだいさんが、フェルピンを背中に担ぐことになりました。
そのとき、フェルピンのつめたい手が、おてつだいさんのくびをつかんだのです。
作者のリンドグレーンが生まれ育った、スウェーデン南西部のスモーランド地方の「いちばんこわいゆうれい」の話です。

 

『子どもに語るイタリアの昔話 ゆうかんな靴直し』

子どもに語るイタリアの昔話

著・剣持弘子
むかし、ジェノヴァに、ゆうれいが出るというおやしきがありました。中に入ったものは、だれも生きてはもどらないというのです。
靴直しの男が、そこで一晩すごすことになりました。夜中の鐘がなると、暖炉から「落とすぞ」と、ぞっとするような声が聞こえました。男が「ああ、落とせ」と答えると、腕の骨が1本落ちてきました。
それからつぎつぎと骨が落ちてきて、骨が集まると骸骨になりました。骸骨は、靴置しにロウソクを持たせると、「先に行け」と命じました。
読むだけでなく、読み聞かせやストーリーテリングとしても使えるお話15話を収めている作品集です。

 

怖いものイコール嫌なもの、ダメなものと捉えずに、自分の中の何かを浄化する役目もあるのです。
子供は本能的にそういうことを察知して、ときに怖いお話というものを求めるのでしょう。

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