大学で経済学を学ぶと、様々な手法を教わります。
それらは万能ではないにせよ、現実世界をかなり的確に分析してくれるものです。
でも教科書に載らない暗黒部というか例外的な世界が現実にはあるのです。
『ヤバい経済学悪ガキ教授が世の裏側を探検する』
著スティーブン・ D・レヴィット
プールと銃ではどっちの方が危険か、薬の売人って儲かってるイメージがあるのになんで母親と同居しているのか、アメリカで1990年代になって犯罪率が大幅に下がったのは何故かご存知ですか?
普段は疑問にも思わないけれど、答えを教えてあげようと言われると知りたいと両手をあげたくなるような疑問が次々と解消されていきます。
お金は不公平だし子が親を選べないということはもっと不公平だけれども、そのことを厳粛に認めて考え抜く意思と頭があったならばそのシステムに風穴を開けることはできるかもしれません。
そのためにはまずインチキと不公平を自分の中で可視化する必要があります。本書はそのガイドブックとなってくれるでしょう。
日々ついてないなぁと思っている社会人の方に読んでほしい本です。
『貧乏人の経済学もういちど貧困問題を根っこから考える』
著・ A・V・バナジー・E・デュフロ
貧困が世界に蔓延していることはみんな知っているけど、それはどうして今も大してましにならないのでしょうか。そしてそこで生活している人々は何を持思って、どのように暮らしているのでしょう。
その他、貧困についての本当のところどうしなければいけないのかということが語られる本です。また貧困について学びながら自分自身のこと、一般的な人間のものの考え方についても知ることができる本です。
現代の日本にとっても切実な問題ですから、問題意識の高い大学生には読んでほしい本です。
『収奪された大地ラテンアメリカ五百年』
著・エドゥアルド・ガレアーノ
1971年に、当時31歳のウルグアイの作家によって出版されたラテンアメリカの歴史に関する本です。分厚い本なのですが脚注や年表を除いた本文は416ページで終わっていてそこまで長いということはありません。
ただ書かれていることの密度は非常に濃いです。ラテンアメリカへの北半球の大国による掠め取りと辱めの構図にこんなにまで屈辱的な国々の歴史があったのかと、震えがくるほどなのに本書の語り口は力強くその鮮やかな数々の告発の手際には感動さえ漂います。
差別と侵略ということを研究している大学生に読んでほしい本です。
読み物として通読してもおもしろいし、正統派経済学はなぜこのへんを説明しきれなかったのかと
分析しながら読み進めるのもいいでしょう。
大学で経済学を専攻している大学生に是非読んでほしい本です。