現実のワニは少し怖くて、ペットで飼っている人でもなければ「わいい」という言葉はでてこないでしょう。
でも、絵本の世界の中に登場するワニは、とっても人間味溢れて愛くるしいんですよ。
『わにのはいた』
著・マーガリット・ドリアン
虫歯で歯が痛いのは嫌なものですね、とくに、わにのアリにとっては。だって、歯が痛いと、いらいらして人をかみたくなるし歯医者さんはこわいし。動物園のおじさんは、アリにあたたかいミルクとえほんを持ってきてくれました。
おりのそばには「どうかお静かに。歯痛です」とか板札をかけ、アリは一日、おくに引っ込んで、しずかにしていることになりました。
でも、好きな絵本をながめても気分は晴れないし、歯痛はどんどんひどくなるばかり。
歯が痛いのはいやだし、歯医者さんはこわいというアリのその場しのぎの行動が、読者の笑いを誘います。著者みずからが描いた絵もユーモラスで、おはなしの楽しさを満喫できるでしょう。
『ワニのライルがやってきた ワニのライルのおはなし1』
著・バーナード・ウェーバー
ひがし88番地通りの家に、プリムさんいっかが引っ越してきました。家の中には、こんな音が響きわたっていました。「シュッ、シュッ、バシャン、バシャン......」それは、ワニのライルがおふろに入っている音でした。
ライルは、とても気立てのよいワニでした。芸も、いろいろできました。はなの上にボールをのせることも、さかだちも、フラフープも、おてのもの。
ワニのライルがプリムさんの家で幸せに暮らすようになる顛末を、ユーモラスに語った物語です。ページの半分以上をしめた挿絵が楽しく、ひとりで読みはじめた子どもにおすすめの本です。
『ふたりはなかよしゲーターガールズ』
著・ジョアンナ・コール
ワニの女の子、エミーとアリーは、大のなかよし。すんでいるアパートはおとなりどうしだし、なにをするのもいっしょです。
明日は夏休みの1日目。ふたりで考えた「夏休みにやること」リストには、計画が7こも書いてあります。うらないしのマダム・ルルのお店に行って、ふたりの運命を占ってもらうこと
ドロドロ通りのおまつりにいくこと、ローラースケートのうしろすべりのれんしゅうをすること。それから、とんぼがたっぷりのったトンボピザを食べること!
ひとつひとつのエピソードが短く、読みやすいです。挿絵もたっぷり入り、気軽に読める楽しい読みものなので、夏休みの読書におすすめですよ。
もしかしたら、ワニが怖いっていうのは爬虫類に対する人間の勝手な偏見なのかもしれませんね。
そう考えると、動物園のワニを見て、何考えてるのかな〜なんて想像する余裕も出てきますね。