和菓子には洋菓子にはない風情があります。もともとお茶請けとしてお茶をひきたてるために作られた和菓子。甘さ控えめで低カロリー、素朴な優しい味わい。上品な見た目も美しく、四季を感じられ、そこには「物語」があります。今回は、和菓子にまつわる本を紹介いたします。和スイーツの魅力をご賞味あれ。
図鑑好きにもおすすめです。
「図説 和菓子の歴史」
(ちくま学芸文庫) 青木 直己・作
上菓子からせんべいまでいろんな種類がある和菓子。中国やヨーロッパ、その時々の外国菓子に影響されて現代の和菓子ができたそうです。老舗・虎屋も登場し、和菓子の歴史を知ることにより、よりいっそう和菓子の芸術性を楽しむことができます。食文化に興味のある方にもおすすめです。
「ずっしり、あんこ」
(おいしい文藝)
芥川龍之介や手塚治虫、内田百閒など39人の文豪の「餡」にまつわるエッセイを集めた本。おはぎ、しるこ、草餅、たい焼きなど餡が入った和菓子についてのエッセイや、「つぶあん」「こしあん」どちらが好みかなど、それはそれは大真面目に熱く語ってくれます。食べ物にまつわる思い出話も感慨深いものがあります。
「何度でも食べたい。 あんこの本 」
(文春文庫) 姜 尚美・作
和菓子好き、あんこ好きのバイブル本といっても過言ではないこちらの一冊。東京、大阪、京都、奈良・・・全国の名店が紹介されています。職人たち熱い想いや物語や、お店のデータ、マップもついているので、こちらの本を片手に食べに行くこともできます。あんこ嫌いだった著者による、きんつばやおはぎ、おぜんざいなど、お取り寄せでは味わえない本物のあんこの味がここにあります。
「和菓子のアン」
坂木 司・作
デパートの地下にある和菓子やさんで働いているぽっちゃりのアンちゃんが繰り広げる和菓子ミステリー。ほのぼの、ドキドキワクワクしますが、お茶や和菓子に関する知識もたくさん。個性的な登場人物が多く、エンターテイメント小説として楽しめます。
どれもこれもおいしそうな本で、くれぐれもお腹がすいているときに、この本を読むのは要注意!おいしい和菓子を買いにいきたくなります。