牡牛座の性格
穏やかで誠実、家庭的な牡牛座さん。そのイメージとは反対に、忍耐力と強固な意志を持ち、気に入ったものは一生懸命に取り組む職人気質。芸術性に優れていて、自らの美学に基づいて行動する一面もあります。
そんな牡牛座さんにおすすめの本を集めました。コレクションの一つに加わえてみてはいかがでしょうか。
日の名残り
カズオ イシグロ(著) (ハヤカワepi文庫)
気品のある英国執事に徹してきたスティーブンス。第一次世界大戦後、新しいアメリカの主人に仕えることになり、年老いた彼がつかの間の休暇とともに回想する若き日々の追憶。執事としての理想の追求、喜びと誇り。新しい主のためにジョークの練習をする様子は微笑ましく、同僚女性の好意に対しての細やかな配慮は欠けているという愚鈍さも可愛らしい。年老いてなお、悔やみながらも新しい世界に理想を抱いて突き進む様子に牡牛座さんは頷くところが多いでしょう。ノーベル賞作家が贈るブッカー賞受賞作品です。
にぎやかな天地（上・下）
宮本 輝(著) (講談社文庫)
発酵食品について取材していくうちに、理不尽な父の死、母との別離、祖母が抱えていた人間関係などが浮き彫りになっていきます。複雑に絡み合う発酵という過程と人間のルーツや生き様が実ににぎやかに描かれています。生と死、愛、命とは何か。発酵食品のことだけではなく、人間にとって大切なものを教えてくれる優しい文体。今起こっていることは何かに繋がっていくという命の連鎖を考えさせられる一冊です。発酵食品マニアの方、追求していくのが大好きな牡牛座さんにぴったりな本です。
職人衆昔ばなし
斎藤 隆介(著) (文春学藝ライブラリー)
自らの技術、感覚だけを頼りに腕一本で生き抜いてきた職人。その頑固一徹な昔ながらの気質は技術革新が行われた現代だからこそ一層より光輝いてみえます。大工、蒔絵、庭師など明治に生まれ戦後まで活躍した27人の職人たちの芸談集。それぞれの時代背景を含め、切磋琢磨して良いものを生み出してきた職人たちの熱い魂がここにあります。誇り高き見えない部分まで丁寧につくられたものは、時代を超えても長生きする。こだわりが強い牡牛座さんは生まれながらの職人さんかもしれません。
落ち着いた物腰、熱い魂。そんな制作意欲を掻き立ててくれる本たちです。モノづくりがお好きな方にもおすすめしたい本です。
