今回は、様々な職業をテーマに扱ったお仕事小説のおすすめを紹介します。
お仕事小説は、ストーリーとしての面白さはもちろんですが、テーマとなる職業の裏側や豆知識、職業に対する情熱を知れるような小説が魅力です。
「校閲ガール」
まずはドラマ化で人気が伸びた宮木あやこ作「校閲ガール」シリーズ。現在までで3作刊行されています。今までになかった校閲という仕事にスポットライトが当たっています。校閲の仕事や編集、作家の方の様子など出版業界の裏側を存分に知ることができます。
それだけでなくこのシリーズは主人公の悦子のキャラクターが抜群にいいのです。パワフルで前向きな悦子に読者は励まされます。そして、何よりこの小説の一番の魅力は、やりたい仕事が向いている仕事とは限らないといっているところです。これは、社会人にとってはかなり本質をついているのではないでしょうか。全体的に明るいトーンですが、そこにはしっかりと仕事に対する向き合い方が示されています。
「楓ヶ丘動物園シリーズ」
次に、似鳥鶏作「楓ヶ丘動物園シリーズ」です。こちらは現在4作目まで出版されています。動物園飼育員の主人公と、その同僚たちが動物園で起こるミステリーを解決していく作品です。このシリーズは何といっても、脇役を含めたキャラクターがかなり魅力的です。
一人一人キャラがはっきりしていて、単純に読み物としても面白いです。また、動物園の飼育員の仕事内容もよく描写されています。動物園の飼育員さんは動物のお世話だけでなく、研究をしたり、企画をしたりもされているようです。
業務後は毎日シャワーを浴びて帰るのが決まりなどなるほど思うことがたくさんあります。動物が好きだから動物園で働いているのに、動物園は動物にとって幸せなのかという矛盾にみ切り込んでいて軽いタッチですが読み応えのある小説です。
「書店ガール」
最後に碧野圭作「書店ガール」シリーズ。こちらもドラマ化されたので有名かもしれません。原作とはドラマとは違ってかなり女性が働くということにスポットライトが当たっています。
女性ならではの悩み、結婚や出産とのジレンマ、書店という先細り業界でどうやって生き残っていくのかなどとてもシビアな内容です。以上のようなお仕事小説は仕事内容はもちろん仕事に対する向き合い方も教えてくれます。
これから社会に出る大学生にもぜひ読んでもらいたいです。