みなさんはどんなマンガがお好きですか?少年マンガ、少女マンガ、いろいろなジャンルのマンガがありますが、ここではよくそこまで調べたな……と開いた口がふさがらないくらい、緻密な内容が書かれたマンガをご紹介します。
個人主義が叫ばれる昨今、大学生など学生から社会人まで、自分の持ちネタともいえるマニアックな知識を持っていると、きっと意外なところで自分をアピールすることができますよ。
『昭和元禄落語心中』
さて、まず初めの一冊は、雲田はるこさんの『昭和元禄落語心中』です。アニメ化もされ、人気のマンガです。落語というとすこしお硬い、一般人には入りづらい世界のようにも思えますが、雲田さんの描く軽妙洒脱なキャラクターと恋愛や人物間の軋轢などに引き込まれ、知らないうちに高かったはずの敷居を軽々とまたいでしまいます。
そして落語本来の姿、人間の妙味をとくと味わえることと思います。読んだら落語を聞きに行きたくなること必至ですね。
『もやしもん』
二冊目は石川雅之著『もやしもん』です。こちらもアニメ化、実写化されています。
もやしもんってなんのこっちゃ?という感じですが、この世に数多ある菌を顕微鏡など使わずに目視できる、という特殊能力をもった主人公が、農業大学に通うなかでさまざまな仲間と出会い、農を中心に世界を駆け回ります。菌だけでなく食べものや農に関する知識も豊富で、読ませるマンガになっています。
生きていくうえで知っていて困らない知識ばかりですので、食べることが好きな方にはもちろん、そうでもない方にも一読していただきたい、おすすめの作品です。
『いちえふ』
いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)
最後は竜田一人著『いちえふ』です。
いちえふとは、福島第一原子力発電所のことで、震災、事故後の原発で除染、廃炉作業を行う作業員の仕事を描いたマンガです。
著者の竜田さんはもともと福島にゆかりがあったわけではないですが、マンガ家としてよりも作業員としての自覚のほうが強い、というようなことも言っておられ、実際、一年間に浴びてよい線量を超えると都会にもどり、また働き口が見つかれば行き、という生活になにか生きがいすら感じているかのように感じられます。
もちろん、廃炉についての作業員目線での話が書かれているので、報道等で見る情報とのギャップに驚かれるかもしれません。その事実と報道と、だれも語らない部分と、自分のなかで考え直すきっかけをくれる作品です。
さいごに
どれもおすすめの本ですが、一口にマンガと言ってもこういった、読むことでなにかに詳しくなれるマンガというのはまだまだたくさんあります。
ぜひみなさんも、だれにも教えたくないような、それでいてみんなに読んでほしいような、そんな作品に出会ってください。