昔話は数多く残されていますが、就学前のお子さんに読んであげるなら、絵も楽しくて印象に残り、想像力豊かになるような絵本がおすすめです。
各文化のバックグラウンドなども感じられるので、昔話は教育にも良いかと思います。
ここでは、グリム童話の「こびとのくつや」、日本の昔話を再話した「かえるをのんだととさん」、中国民話の「ほしになった りゅうのきば」を紹介いたします。
子供に寝る前に読んであげるのにおすすめの絵本3選です。
「こびとのくつや」
伝承昔話が元になっているグリム童話には名作がたくさんあります。「こびとのくつや」はそのグリム童話の一つを、いもとようこさんが子供でも読みやすい平仮名表記にして、小人の可愛い絵を描いています。靴を楽しそうに作っている小人たちが可愛らしく、生き生きと描かれており、子供が靴の作り方にも興味を持ちます。またハッピーエンドで終わるので、寝る前に読んでもらった子供も読んであげた大人も幸せな気持ちで寝ることができます。
「かえるをのんだととさん」
日本の昔話を日野十成さんが再話した「かえるをのんだととさん」は、お腹が痛くなったととさんが和尚さんにアドバイスをもらって、蛙、蛇、キジ、猟師、鬼を次々と飲み込んでいくお話です。
現実にはあり得ないような展開が面白くて、子供は何度も読んで欲しいとせがみます。また、飲み込んだ後のお腹の様子など、斎藤隆夫さんが描く絵がダイナミックで絵を見るだけでも楽しめます。鬼をお腹の外に出すために、和尚さんが節分の豆を投げ入れる場面では、読んでもらっている子供も一緒に「おにはー そとー」と声を合わせて言うとさらに親子で楽しめます。
「ほしになった りゅうのきば」
中国民話を君島久子さんが再話した「ほしになった りゅうのきば」は、2匹の竜の喧嘩で破れてしまった天の裂け目を繕うために、若者が旅立つ話です。目的を達成するために諦めずに邁進する姿は、子供だけでなく読んでいる大人にとっても考えさせられることの多い作品です。赤羽末吉さんの色彩豊かな絵が印象的で、特に表紙にも描かれている、牙を抜かれて泣いている竜の絵が心に残ります。
他の2冊に比べると長編なので、時間に余裕がある時に読むと子供も大人もお話の世界をゆっくりと楽しむことができます。
またこの本は、難題に立ち向かう主人公の姿勢がたくましく、これから社会人になる大学生にもおすすめの絵本です。