ねむり。束の間の休息。ねむらずに生きていくことは不可能です。数々の文学や小説でもねむりをテーマにした作品は多くあります。今回は、そのなかでもねむることが楽しみになる本を選びました。眠るのがもったいない、時間のムダと考えている人こそ手にとってほしい本です。
【睡眠負債 解消】 「眠る」がテーマ本3選 良い睡眠とは?が分かる
ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?
人間が3分の1を睡眠に費やしている事実。
睡眠学の権威が専門用語をなるべく避けた表現でわかりやすく書いています。
医師から見ても実践的と思える睡眠知識が満載です。
「睡眠負債」「体内時計」というイメージをわかりやすく説明しており、自分の経験にも置き換えて考えることができます。
後半はどんな問題があるか、どうすれば改善するかなど、具体的な方法が述べられていて、とてもためになります。読めば人生の3分の1が変わります。
睡眠こそ最強の解決策である
最新科学に基づいたしっかりした内容で説得力ある本。
「どのように眠るか」というテクニック集ではありません。
むしろ「なぜ眠るべきか」ということにフォーカスして、睡眠がいかに重要なものかを自覚させてくれる本です。
「食事、運動、睡眠のうち、健康のためにもっとも大切なのは、睡眠である。」という言葉が印象的です。
「睡眠負債 『ちょっと寝不足』が命を縮める」
(朝日新書)
NHKスペシャル取材班・作
眠る時間を削っていかに人生の効率をあげていくかばかり注目されていましたが、そもそも眠る時間も大事だと最新の研究で分かってきました。仕事の効率をあげるためにも、日々の睡眠はとても大切とのこと。睡眠に関する科学的知識が学べる一冊です。
「いねむり先生」
伊集院 静・作
著者が主人公のモデルといわれています。愛する妻を亡くし、酒浸りの日々を送っていた主人公。知人から作家の色川武大(阿佐田哲也)さんを紹介され、生活が再生されるまでの物語。色川武大がナルコレプシーという、どこでも寝てしまう病気からタイトルがつけられたそうです。「苦しみ」を共有したものだからこそ分かち合える癒しとしてのねむりを彷彿させられます。
「ねむり」
村上 春樹・作
ある日突然眠ることをやめたごく平凡な主婦。家事を行いながら、夫と子どもが眠るそばで本来の自分だけの時間を取り戻していく。そこにあるのは深い空虚感と幻覚。「死」を象徴した「ねむり」です。
「文鳥・夢十夜」
(新潮文庫)
夏目 漱石・作
漱石の短編「夢十夜」は、「こんな夢をみた」からはじまる十篇の短編集。なんでこんな夢をみたんだろうと翌朝になって不思議に思うこと、ありませんか?無意識に感じているものが夢に現れるといいます。心地よい浮遊感のなか、どこからが現実なのかわからない虚構の世界観が心地良い一冊です。
「白河夜船」
(新潮文庫)
吉本 ばなな・作
植物状態の妻を持つ恋人との恋愛。親友の死。苦しい思いを抱える主人公はひたすらねむりの世界に没頭していきます。「夜と夜の旅人」「ある体験」と眠り三部作といわれる短編を収録した一冊です。静かな夜、死と向き合うこと。淡々と過ぎていく眠りの世界に、ほんの少しの癒しが希望の星として描かれています。
人間の三大欲求の一つ、ねむり。人を癒してくれるねむりをないがしろにしていては心も体もおろそかになってしまいます。心地よいねむりの世界には物語が広がっています。これを機会に夢日記をつけてみても面白いかもしれません。
【睡眠負債 解消】 「眠る」がテーマ本3選 良い睡眠とは?が分かる