おいしいものが好きなのは国境や老若男女問わず共通だと思います。
食べ歩きが趣味という方もたくさんいらっしゃると思いますが、食べた感想がいつも「おいしい、おいしくない」では粗野というもの。おいしいを知り尽くした文豪にならって感想の表現の幅を広げてみませんか?動物は生きるための栄養素として食べ、人間はそれ以外に食物を味わう能力をもっています。本を通して「味わう」ことの意味を考えてみるのはいかがでしょうか。
味覚馬鹿
北大路 魯山人 (著) (青空文庫POD)
味覚馬鹿とは味オンチのこと。美食家、陶芸、書、茶の名人として著名な著者が贈る味わうことの真髄について書かれています。特に和食については日本人として学ぶことが多く、濃い味つけが好みの方には是非手にとってもらいたい本です。出汁の味、素材の味を引き立たせる調理法である和食。自炊をしたくなる一冊です。
御馳走帖
内田 百聞(著) (中公文庫)
日本酒とビール、英字ビスケット、そば。美食家ではありませんが、自己流の食へのこだわりが強く、わがままで一本筋の通った食に目がない人。食べることへの直な欲求がとてもチャーミングなエッセイ集。昭和の庶民の味を堪能できる一冊です。
鴎外のマカロン―近代文学喫茶洋菓子御馳走帖
奥野 響子(著) (丸善プラネット)
夏目漱石や森鴎外、戦前の日本で当時ハイカラだったソーダやシュークリームなどの洋菓子が登場するシーンを抜粋し、考察した本。背筋がピンと伸びるような高級感溢れる響きにワクワクします。
食べることの心理学―食べる、食べない、好き、嫌い
食べることの心理学―食べる、食べない、好き、嫌い (有斐閣選書)
今田 純雄(著) (有斐閣選書)
食べるという行為について、おいしさ、五感について医学的観点から考察された本。摂食障害、飽食、肥満に関することなど心理学、生物学、歴史的観点から書かれています。子育て世代の方にも手にとっていただきたい本です。
食べることは人間の生存本能の一つ。無意識に毎日の食事を摂るのではなく、生命を大切にいただきたいものです。食べるということについて、もう一度考え直すきっかけになる本です。