大学生や社会人にオススメする本として林真理子さんの「葡萄が目にしみる」を紹介します。
「葡萄が目にしみる」
「葡萄が目にしみる」は林真理子さんの本の中でも初期の頃の小説で田舎山梨の高校生の話です。それも太っていてイケテナイ高校生が主役で自意識過剰さが滲み出ているストーリーなので、密かに親近感を覚える方もいるのではないかと思います。
でもなぜか小説自体はとても爽やかなのです。田舎の風光明媚な景色と葡萄のジべという作業を手伝うシーンなどが小説を爽やかにされているかもしれません。林さん自身は今の東京の高校生よりも、学校帰りにレンゲソウを摘んで帰るような自分の高校時代を今でも選びたいと仰っていました。
タイトルについて
とにかく小説を読むとタイトルがドンピシャで、素晴らしいということに気付くと思います。それくらい初々しい高校時代なのです。
初々しい高校時代が終わって最後の方で、大人になり東京である程度成功しているらしい主人公と、当時目立っていた男子学生が食事をすることになって食後に別れてタクシーに乗った途端「よかったね。よかったね。」という描写があります。
涙がこぼれそうなシーンです。
時代も変わって今の高校生とは環境も変わったかもしれませんが、でも変わらない普遍的な部分もあると思うのです。特に大学生や新社会人に読んでもらいたいと思います。
林さんは今は「西郷どん」の原作者でもあり、歴史ものも書いていますが歴史ものでは「白蓮れんれん」をオススメします。興味があれば是非読んでください。