誰かといつも一緒が好きという人もいれば、一人が好きという人も。常に周りに人がいると煩わしいというタイプの人もいます。
人に囲まれているのは楽しいですが、時には一人の時間を堪能したいというときもあるでしょう。孤高のヒーロー、一匹狼という言葉には、自立していて誰も寄せつけないハードボイルドな魅力があります。今回は、孤独を堪能できる本を集めました。ウィスキーを片手に読みたい本です。
アウトサイダー(上・下)
コリン・ウィルソン(著) (中公文庫)
社会のはみ出し者、アウトサイダー。常識とされているものを覆し、新たなる道を提案した人たち。H.G.ウェルズ、ニジンスキー、ヘミングウェイ、カミュ、ニーチェ、ゴッホ、アラビアのロレンスなど様々な文学や思想、美術を分析した本。
不器用で自分の信念を変えることができなかったからこそ、枠組みを超えてしまった人たち。著者は図書館に通い詰め、この本を執筆したそう。土管で暮らしていたというところから、著者自身も間違いなくアウトサイダーです。
さすらう者たち
イーユン リー(著) (河出文庫)
文化大革命終結後の中国地方都市。学をもったが故に革命をおこし、犯罪者にされた人々と巻き込まれていった市井の人々。うら若き女性が政治犯として捕まり、死刑になったこと。密告や臓器を抜かれて銃殺されたこと。
実際に起きた事件をベースに書かれた小説。数々の恐怖におびえながらも、大国をさすらう孤独な魂たち。歴史舞台の裏側にある孤独に胸がしめつけられます。
老人と海
アーネスト ヘミングウェイ(著) (光文社古典新訳文庫)
不漁が続く中、これまでの経験と勘を頼りに大海原に乗り出す老人の漁師。自然が相手だからこそ、思い通りにいかないことは熟知のうえ、沖にでてカジキとの闘いがはじまります。
漁師としての誇り、歳を重ねたからこその知識。力強い老人の精神と、荒れ狂う自然の美しさ。大人の男なら一度は手にしてもらいたいハードボイルドな一冊です。
大きな感情は内に秘めるからこそかっこいい。あけっぴろげに何もかも語らなくても、孤独な魂は人を惹きつけてはなさないものです。