日が沈んだあとにまったりと読みたい怪談話を用意いたしました。
どの話も短編で短いので読みやすいです。
ホラー好きの方、民俗学に興味がある方に手にとっていただきたい本です。背筋がぞっと凍るような静かな物語をご堪能ください。
真夏でなくても、修学旅行などにもおすすめの怪談話です。
怪談
ラフカディオ ハーン(著) (光文社古典新訳文庫))
著者はギリシア生まれのイギリス育ち。1890年、ピエール・ロティの作品から日本に関心をもって島根県に英語教師として来日し、東京帝国大学の講師として教鞭をとる傍ら、小泉八雲という名で日本文化についてのエッセイや小説を記したそうです。「耳なし芳一」や「食人鬼」「ろくろ首」「雪女」など有名な怪談が紹介されています。日本文化や日本人の心を考察した「虫の研究」も収録。異国人がみる日本の風景に、改めて日本文化の素晴らしさ、美しさ、儚さを感じさせられます。
百物語
杉浦 日向子(著)(新潮文庫)
現代江戸浮世絵師と呼ばれた著者が贈る妖しくも美しい江戸時代の怪談。怖いお話というよりも不思議さが漂う一話完結の短編集です。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような妖の世界。物陰や扉の中、暗い夜道の向こうから何かが現れるかもしれないといった未知の恐怖は日本独特の恐さです。味わい深い怪異な話が99編収録されています。
ブルターニュ幻想民話集
アナトール ル・ブラーズ (著, 編集) (国書刊行会)
フランスのブルターニュ地方で住民たちに語り続けられてきた19世紀から20世紀にかけての恐ろしい話97編を収録。ブルターニュ版「遠野物語」と呼ばれている通り、不気味さや怪異な雰囲気を味わえます。死、呪い、溺死、のみこまれた幻の町など様々な恐怖の予兆には、昔話のような教訓も含まれています。民俗学に興味がある方にもおすすめです。
同じような怪談話が世界中にあるのに、その表現方法やとらえ方が異なることも面白さの一つ。その地方の生活や心理状態、時代を超えても共通する怖さ。同じ怪談話も作者により怖さを重視したものや切なさを表現したものと千差万別です。