国際化が進むなか、いろんな国の料理を食べる機会も多くなりました。食文化はその土地に根づいている先人の知恵。和食だけではなく、毎日のちょっとした刺激に家でも簡単に作れる多国籍料理のレシピ本を紹介いたします。イベントだけではなく、身近に異国を感じることができますよ。
世界を食べよう! - 東京外国語大学の世界料理
沼野 恭子(著) (東京外国語大学出版会)
東京外国語大学の先生方による食文化のエッセイ。
それぞれの専門分野により、言語学や歴史、文学史、宗教などと絡めて簡単なレシピが掲載されています。食べるという行為は同じでも地域文化によって取り方は違うもの。世界30か国のおいしそうな料理がずらりと並びます。食に興味のある方、異文化交流の入り口としてもおすすめの一冊。食事に関して保守的な方も是非ご一読ください。
歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる
遠藤雅司(著) (柏書房)
5000年前から19世紀までのメソポタミア人、ダ・ヴィンチ、マリーアントワネットの晩餐会で出された料理が再現されています。現代風にアレンジされているので、ほぼ調達可能な食材で小ネタになる歴史エピソードも満載。歴史好きの方をはじめ、料理好きな方にもおすすめのタイムスリップができるレシピ本です。
食文化を通して歴史を身近に感じることのできる一冊。歴史の勉強が好きなお子様がいる家庭で披露するのも面白いと思います。
世界のおばあちゃん料理
ガブリエーレ ガリンベルティ(著) (河出書房新社)
素朴で家族のためを思って作られた料理こそおばあちゃんの味。世界50か国、58人のおばあちゃんが登場し、その家庭だけの味の秘訣や料理のエピソードを披露してくれます。手間ひまかけて、新鮮な食材を調理する姿。生活感あふれる台所。現地でしか調達できない食材もありますが、イタリア人の著者が民泊をして取材した家庭料理というだけあって気取らない温かな雰囲気にあふれた本です。その家庭だけの味というのは郷愁深くてロマンチックです。
食に関する興味は万国共通。今夜はどんな料理にしようかと迷ったときの変わり種として、読み物としても面白い本です。