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【ハンセン病 歴史 日本】 命の尊厳を考える本~ハンセン病を通じて【おすすめ 本】

ハンセン病は「癩(らい)」と呼ばれ、その外見や感染への恐怖心から、国が患者を施設や遠く離れた島へ隔離したりと大きな差別問題として扱われてきました。現代では特効薬もあり、初期に治療すると身体に変形をもたらしたりすることもありません。医学が発展していなかった時代、理解をしようとせずに患者を孤立させたこと。その歴史は決して忘れてはいけないものだと思います。今回はハンセン病を題材にした本を紹介いたします。

 

「砂の器」

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

松本 清張・作
 映画化されたものは癩に侵された親子が前世の業のせいだといわれ、お遍路にまわる様子など「親子の絆」を主軸に描かれていましたが、原作は「社会派ミステリ作家」ともいわれる松本清張の徹底した取材に基づく推理小説。想像もつかないトリックと、携帯電話もない時代、ひたすら自分の足だけで捜査する刑事。過去の悲劇から命の尊厳を考えさせられる清張らしいミステリーです。

 

「生きがいについて」

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

神谷 美恵子・作
 ハンセン病の療養施設で精神科医として勤めていた著者は、病や死、大切な家族とも隔離された状況のなかでも前向きに生きる患者を目にしたことから7年もの時をかけて綴ったエッセイ。自らもガンに侵され、初恋の人も結核で亡くした著者。生きがいをなくしてこそみえてくるものがあると背中を押してくれる一冊です。

 

「私が棄てた女」

新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)

遠藤 周作・作
 純粋さ、慈愛に満ちた女、ミツ。主人公の男は本当に最低で利己的な人間ですが、誰にでもそんな一面はあるとひやりとさせられます。見返りを求めず、ただ愛した人に尽くすミツ。最後はハンセン病の療養施設へと送られ・・・。どんな環境であっても、自分次第で他人に愛情を届けることができると感じました。

 

自らの無知によって他人を傷つけることは誰にでもあります。逆に自分が被害者の側に立つこともあります。時代に翻弄されながら、誰も理解者がいないなかで、どのように生きていきたいか、それこそが命の尊厳であり、それを守れるのは自分自身の強い意志だと感じる今日この頃です。

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