学生の時に感じていた、ときめきや少しドロドロした感情。
面白い、楽しいなどキラキラした時もあれば、
ほろ苦い、暗い経験もあったはず。
そんな常に感情が大きく揺さぶられていた日々を、再び本を感じてみませんか?
今回はそんな青春小説を紹介します。
『黄色い目の魚』
佐藤多佳子
イラストレーターである叔父さんのアトリエに足繁く通う主人公のみのりと、サッカー部に所属しながら一生懸命になることをダサいと思ってしまう木島との不器用なやり取りがキュンキュンします!ラブストーリーというジャンルにしておくのはもったいないくらい、16歳特有の甘酸っぱさが作品全体に漂う素敵な小説です。
お互いに意識しながらも、すれ違ってしまうみのりと木島のやり取りは、何度読んでもジンときます。16歳ど真ん中の学生さんも、高校生時代のときめきを思い出したい社会人の方も、誰もがもどかしく切ないストーリーにひきこまれること間違いなしです!
『光待つ場所へ』
辻村深月
この作品は個人的に大学生の方にオススメしたい一冊です。大学に入ってなんとなく絵を描いている清水あやめが、他学部の田辺が撮った映像に心を奪われるところから物語ははじまります。
才能に溢れながら熱意の欠けるという主人公像に、感情移入しづらいかもしれませんが、才能を持つが故に悩み苦しむ様子を知り、きっとあやめに共感できるポイントが見つかると思います。また、読後感が爽やかなので読みやすい一冊です。これを読んだ後はきっと大学生活がキラキラして見えると思います!
『ゴールドフィッシュ』
森絵都
森絵都さんと言えば、『カラフル』や『DIVE‼︎』が有名ですが、特に環境が大きく変わる方にこの一冊を紹介したいと思います。この本は中学3年生のさゆきが高校受験に悩む様子や、どんどん大人びていく周りとのギャップに困惑する様子などが丁寧に描かれており、環境が変わってしまうことへの不安を知っている社会人の方などの心に響くのではないかと思います。
個人的に森絵都さんのデビュー作である『リズム』の2年後の世界を描いた作品であるという点もおすすめです。ぜひ2冊とも読んで欲しいです!従兄弟の真ちゃんもかっこいいので、ただ大好きという気持ちに突き動かされていた初恋をぜひ思い出してください!