昔話のヒーローは男の子ばかりではありません。
元気な女の子が大活躍する話は古今東西たくさんありますね。
そんな女の子が主人公のお話をフィクション、ノンフィクションのそれぞれの分野でご紹介します。
『長くつ下のピッピ世界一つよい女の子』
長くつ下のピッピ――世界一つよい女の子 (リンドグレーン作品集)
著・アストリッド・リンドグレーン
長くつ下のピッピは、女の子。おさげにした髪は、ニンジンそっくり。そばかすだらけの顔には、大きな口。おまけにとても力持ち。世界中のどのおまわりさんがかかってもかなわないほどでした。
ええ、ほんとうに2人のおまわりさんのベルトをつかんで、ぶらさげて、運んだこともあったんです。馬をまるごと1頭、持ち上げることもできるし、5人のいじめっ子をいっぺんにやっつけるし、とにかくたいした女の子です。
リンドグレーンの代表的な作品で、大人が眉をしかめるようなことをやってのける元気のいいピッピは、今も昔も子どもたちの人気者です。1話ずつ独立しているので、読み聞かせにもどうぞ。
『海辺の宝もの』
著・ヘレン・ブッシュ
メアリーは、とうさんが海辺から持ち帰る不思議な岩が大好きでした。何本もの枝に花をつけたウミユリや、とぐろをまいたヘビみたいなアンモナイトなどが、かたく冷たい石になったものです。どれも遠い昔には生きていて、海に棲んでいたのだと、とうさんが教えてくれました。
メアリーは、そういう「変わり岩」を集めるのに夢中になりました。1823年に、世界ではじめて爬虫類の化石を発見したメアリー・アニングの、子どものころの物語です。
『ふしぎの国のアリス』
著・ルイス・キャロル
アリスは、川の堤でおねえさんのそばにすわったまま、退屈していました。するととつぜん白いウサギが通りかかり、チョッキのポケットから時計をとり出して「ああたいへんだ、たいへんだ、遅れてしまうぞ!」と言うではありませんか。
アリスはとびおき、ウサギのあとを追いかけました。ウサギが垣根の下の大きなウサギ穴にぴょんととびこんだので、アリスもとびこみました。気がつくと、深い穴の中をずんずん落ちていきました。
明治の昔から数多く翻訳されています。完訳のものでは、本書のほか『不思議の国のアリス』(脇明子訳、岩波書店)も読みやすいですね。挿絵は、どちらも原書と同じテニエルによるもので、続編に『鏡の国のアリス』があります。
なんだか読んでいるこっちまで元気をもらえそうな気になってきますね。
最近元気がないんだよなーって嘆いている方にぜひオススメです。