仕事をやめたい。生きている意味が分からない。何もかもが面倒くさい。
そう思っていても、何かの一歩を踏み出せない社会人や大学生の方へ
この本をおすすめします。
エイジ
どんな本か
著作者の重松清さんは、現代に生きる家族の問題や、思春期の少年少女の日常、青春を題材にした作品を多く書かれており、登場人物の細かな心情変化を文字で読ませてくれます。
そのリアルな心情・生活の様子が、読者を自然と感情移入させ、普段の生活の大切さや、感情の揺れ動きを思い出させてくれます。
この本『エイジ』は、東京郊外に住んでいる普通の中学生、エイジ視点の小説です。
中学生は、勉強に、部活に、友情に、恋に、と様々な事に目移りしてしまう正に多感で多忙な時期です。
そんな忙しくも甘酸っぱい中学生活を送っていた中エイジと同じクラスの同級生が、巷を騒がせていた通り魔事件の犯人として捕まってしまいます。
その同級生の話題で持ちきりの学校や、親からの心配、少しずつ変わっていく友人関係、恋愛模様など、色んなざわめきが、思春期真っ只中のエイジの心を揺さぶります。
あの同級生と自分との境界線が曖昧になり、自分の中の幼い暴力性や、全てを壊してしまいたい衝動を重ねて、でも何かが違うと悩み抜いて、子供から大人へと変わっていく心の成長を丁寧に描いた作品です。
ここがオススメ
作中で友人関係や恋愛、部活、思春期特有のやりきれず抑えの効かない気持ちなどで振り回されるエイジ。
悩む過程で少しずつ自分の答えを探して、一歩を踏み出す作品です。
ラストシーンはエイジが自分なりの答えを出して、吹っ切れるシーンです。
現実ではそうはいかない、とか、子供だからできる、など
人それぞれにも感じ方の違いはあるかもしれませんが、このラストがたまらないです。
自分でも勇気を出して悩み込んでいても、エイジのように吹っ切れて一歩を踏み出そうという気持ちになれる作品です。