『伝え方が9割』
佐々木圭一
この技術を知ると知らないとでは、人生が大きく変わってしまうかもしれません。ちょっと大げさですが、それくらいの力を秘めた本だと思います。この本は物事をわかりやすく伝える力を養うといったものではありません。強い言葉を生み出すシンプルな法則をまとめた本です。またコミュニケーション術の本でもありません。相手の印象に残る言葉を生み出すレシピの本と言ったらいいでしょうか。
就職活動やプレゼンなど人生の重要なシーンにおいて、伝え方が成否を分けることはよくあります。それなのに伝える技術というものを鍛えていない人は多いものです。伝え方のシンプルな技術を身につけることで人生の決め所で的確にスマッシュが打てるようになるとすれば、知らない方が損とも言えましょう。
就活に苦労している大学生にぜひ読んでほしい本です。
『ハーバード流宴会術』
児玉教仁
ハーバード流なんて言う言葉がついていますが、一言で言ってしまえば総合商社マンの宴会術といったほうがわかりやすいでしょう。これまで暗黙知として脈々と受け継がれてきた商社マンの伝統的な宴会術を、体系的に整理し直したのが本書です。若手商社マンが数年かけて学ぶことをまとめている貴重な一冊なので、新社会人は是非とも読むべき超おすすめ本です。
著者は元商社マンでハーバード大学 MBA ホルダーという肩書き。元々下戸でシャイ、しかも宴会嫌いだったそうなのですが、商社に入社した後は地獄の宴会千本ノックを受け、宴会術はすごく上達したそうです。参加者がどれくらい楽しんでいるかが色で見えるという域にまで達した、宴会の達人でもあります。この本は宴会以外にも役に立つことがあるでしょう。
合コンでの自己紹介の仕方、なるべく多くの人を二次会まで連れて行く方法、結婚式で参加者を泣かせる方法、一発芸で笑わせるコツなどなど宴会テクニックが惜しみなく紹介されています。
会社での付き合いに悩んでいる人、是非読んでくださいね。
『督促 OL 修行日記』
榎本まみ
督促という言葉を聞いて良い印象を持つ人はいないでしょう。その督促が本書の主人公であるN本さんの仕事なのです。就職したクレジットカード会社での最初の配属先がコールセンターでした。しかも担当はキャッシング専用のカードのお客様、多重債務者も当然多く、それまで女性社員は一人もいなかったそうです。課長から最初に言われた挨拶は「男子校へようこそ」だったそうです。
こんな辛い職場でとにかく電話をかけ続けるのがN本さん。電話の先にいるのはお客様という名の債務者です。誰も彼女の電話なんて期待していないし、それどころかむしろあからさまな敵意を持っていたりします。このお話は毎日悩んでもがいて苦しんで成長していく一人の社会人の物語なのです。
現在、顧客対応で悩んでいる社会人にオススメの一冊です。