異国情緒あふれる華やかな舞台。アクロバティックな芸や珍しい動物たち。
情熱あふれるスペシャルなイベント、サーカス。
にぎやかな雰囲気とは裏腹に町から町への渡り歩く旅芸人の姿や一度きりしか観れないかもという、どことなく漂う孤独感が共存していることがサーカスの魅力だと思います。今回はサーカスを舞台にした本を紹介いたします。
「夜ごとのサーカス 」
アンジェラ・カーター・作
卵から生まれ、思春期には翼が生えた金髪の大女フェヴァ―ズ。娼館からサーカスに辿りつきブランコ乗りとして異形の仲間と共に旅から旅へと力強く生き抜いていく。
奇想天外でファンタスティックな冒険物語。不潔なテント、汗と体臭と香水の香りがする楽屋、パイプとおしろいで曇る鏡など幻想的な描写が続きます。ガーディアン必読小説1000冊にも選ばれています。
「サーカスの夜に」
小川糸・作
10歳の体のまま成長が止まってしまった少年がサーカスに入団し、冒険と成長する姿が描かれています。ファンタジーのような優しい世界観で、登場人物は無骨ながらも優しい人ばかり。「心は自由だ。どこにでも行ける。僕の心はいつだって自由なんだ。」「人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの。」自分の殻を打ち破り、芸を極めていく姿に心強さを感じます。
「サーカスの学校」
西元まり・作
有名なサーカス、シルク・ドゥ・ソレイユのサーカス学校を描いた絵本。躍動感あふれる絵本。
自分を表現するということの大切さ。夢と希望にあふれ、芸を高めていく姿は晴れ晴れとしていて、現代アートとしてのサーカスが描かれています。
「サーカス物語」
ミヒャエル エンデ・作
「モモ」で有名なエンデの戯曲。開発事業が進められ、立ち退きを迫られたサーカス団が舞台です。
切なくて、温かい。無力な存在なサーカス団員たちが迫られた方法は、知恵遅れだが優しい心をもつエリを捨てることでした。人間にとって何が大切なのか、自由とは何か、愛とは?版画のようなイラストと箱入りの本で大切に傍に置いておきたい一冊です。
さいごに
幻想的で魅惑的な世界、サーカス。
最近だと「グレイテスト・ショーマン」などサーカス映画も人気ですよね。
その一瞬一瞬を心に刻み込める4冊をご紹介いたしました。童話のようなファンタジーがお好きな方は是非、手にとってみてください。