普段、自分の興味の範囲外のことに触れてみると、脳の活性化につながるそうですよ。
そんなやわらか思考を育てるのに役立ちそうな本を紹介します。
『新選組血風録』
著・司馬遼太郎
幕末の混乱のなかで治安維持の任務を遂行した有名な新撰組が、実在架空の人物を織り交ぜて描かれた歴史文学の傑作です。
実在した沖田総司は無欲で純粋憧れの女性は遠くから眺めるだけのはにかみやです。
でも剣の腕前は天下一品、そのギャップがとても魅力的な人物ですね。斎藤一、井上源三郎、沖田総司など新撰組隊士達の生き様が描かれていてその誰もが魅力的です。
これまではなんとなく好きではなかった沖田総司のことが愛おしい人物に感じられる作品です。新撰組に対する新しい見方を教えもらってもらったと思います。
歴史小説が好きな大学生にオススメの本です。
『今日の猫村さん』
著・ほしよりこ
主人公の猫村は猫なのに家政婦という設定です。掃除、洗濯、料理買い物何でもこなします。でも時々猫の本能が出てしまい、まどろんじゃったり、蝶を追いかけたりその辺が面白いですね。
ちょっぴりおせっかいでご奉公に上がった犬神家でも家庭の事情に足を踏み込んでしまいます。この猫村さんの行動の一つ一つが可愛すぎますよ。ストーリーを流し読みするのではなく、じっくり見ながらゆっくり読み進めてほしい本です。
猫の仕草や動きが結構リアルだったりして猫好きとしては終始、萌えてくるでしょう。
『雪の練習生』
著・多和田葉子
ベルリンの動物園で人気者だったクヌート、クヌートの母トスカ、そして祖母の私によるしろくま三代記です。
サーカスの花形から小説家になった私は自分の幼い頃の体験をもとに作品を書きます。よくある擬人化した動物たちの話と言った先入観を持つ読者に対し
多和田葉子は巧妙な仕掛けを用意しています。描いているのは動物の営みなのか、それとも人間の営みなのかよくわからなくなってきます。
読者に違和感を覚えさせること、いとも簡単に境界を越えて二つの世界を平行移動させていくマジックをかけていきます。
本を読んでいて主人公の人、まれに動物になった気になって読むと
また違った自分が発見できておもしろいかもしれません。