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【資本主義 本 おすすめ】「日本における資本主義」を知りたい時におすすめの本

 今回、社会人、大学生向けにオススメさせていただきたい本は、『小室直樹の資本主義原論』です。

『小室直樹の資本主義原論』

小室直樹の資本主義原論

 小室直樹は社会学者で、様々な大学で様々な学問を修めた人物で、広く世の中に影響を与えた人物です。社会学というからには、経済、政治はもちろん、宗教、文化、歴史にも精通していないといけないという考えのもと、日本だけではなく、世界の大学で学問を学びました。メディアで活躍する社会学者宮台真司は小室直樹の弟子にあたります。
 その小室直樹が「日本における資本主義」とはいかなるものか、資本主義の本質とは何か、そして資本主義経済が根付いた要因とは何かということを、喝破していきます。

 

資本主義について

 我々日本人は、生まれた時から資本主義経済の中で生きてきました。なので資本主義について考えるということはあまりありません。なぜなら資本主義が当たり前で、資本主義が正しいという常識の中で生きているからです。一時期共産主義的な考えを広めようと一部の左翼が騒いでいましたが、最近ではなりを潜めています。東西冷戦も終わり、さらに資本主義が一番正しいという考えが強くなっているかもしれません。
 しかし、資本主義が起こったのは、人類の文明の歴史を見るとごくごく最近のことなのです。日本の資本主義で考えるとさらに最近のことになります。資本主義が起こった要因にはキリスト教的価値観が必須だったというマクスウェーバーの説から、キリスト教的価値観を持っていない日本人に何故資本主義が一時的とはいえ、世界2位の経済大国になるまで根付いたのかというくだりは、日本に生きる私にとって、本当に体感として納得できる素晴らしい論説でした。

 

 

小室直樹の資本主義原論

日本の価値観

 日本には、封建的な価値観、儒教的な価値観があります。そこに資本主義が混ざった世界でも特殊な社会主義的な資本主義ということです。
 さらに面白いのは、この本が書かれたのは90年代前半ですが、この時すでにインターネットの普及を予言し、アマゾンの隆盛を示唆するようなことを話しているのが、小室直樹の慧眼を証明しています。

小室直樹さんの「日本人のための経済原論」もおすすめです。

 

小室直樹 日本人のための経済原論

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