今注目の韓国の絵本
今、絵本業界では韓国の絵本が注目を浴びています。
繊細な感情表現、オリジナリティあふれる作画が他の国の絵本にはないと、どんどん邦訳されており、読者の心をつかんでいます。
どこか懐かしく、心に響く作風は日本の昭和時代を彷彿とさせます。
今回は今話題になっている韓国の絵本を紹介します。お隣の国の生活をのぞいてみたい方、ほのぼのとした気持ちになりたい方は手に取ってみてくださいね。
ハンヒの市場めぐり
カン ジョンヒ (著) (光村教育図書)
市場はその都市に住む人々の生活がよく分かる場所。お母さんと子どもが市場で買い物をする姿を通して、韓国の風俗や食文化が理解できる絵本です。
しぼりたてのごま油、ポン菓子など韓国の市場の様子が細かいイラストで描きこまれています。
見ているだけでもお腹がすいてきそうな絵本。生き生きした市場の活気が目の前に広がるようです。
いたずら五にんぐみ オチョグニ
パク・ヨンチョル (著) (瑞雲舎)
中国や韓国の屋根に飾られている瓦の偶像、オチョグニ。魔除けとして飾られており、人々の平和な生活を守っています。
ところが、いたずらっこのオチョグニたちは天の国を混乱させたという罪で王様の怒りをかってしまいます。罪をつぐなうため、恐ろしい怪物ゴンを捕まえようとしますが…。
韓国の子どもたちに大人気の絵本。愛らしいオチョグニたちが大暴れする姿は、どこか愛嬌があってクセになります。
チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ
チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ (世界傑作絵本シリーズ)
イ・チュニ (著) (福音館書店)
韓国風パッチワーク、ポジャギ。日本でいう風呂敷のようなもので、鞄になったり洋服になったりと使い勝手が良い布です。おばあちゃんが一針一針思いをこめて作ってくれたポジャギは色合いも美しく素敵ですが、チェクポは新しい鞄が欲しくてしょうがありません。1970年代の韓国の生活を垣間見れる絵本です。
エネルギッシュな熱意、家族への思いやりなど日本人が今忘れてしまっている古き良き姿がここにあります。
昔話を読んでいるような安心感を届けてくれる温かい作品です。