いじめられている人へ 希望を持たせてくれる本
いじめ問題は子どもたちにも、大人にも大きな社会問題となっています。
いじめる側にしてみたら、ほんの少しからかっただけのつもりでも、いじめを受ける側には死を覚悟するほどの苦痛を感じることも。
いじめを放置していると、不登校や鬱病の原因になってしまい、取返しのつかないことになってしまうかもしれません。
今回は、いじめに関する本を集めました。いじめを受けている本人の心の持ち方や、周りの人がいじめを受けている人の気持ちを理解して寄り添うことができるような希望を持たせてくれる本です。
いじめとは無縁だから関係ないと思う人こも手に取ってみてください。
「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない
「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない
中川 翔子 (著) (文藝春秋)
タレントの中川翔子さんはいじめで不登校になった過去を持っています。一時期は思い詰めて死を考えたそうですが、現在のマルチな活躍ぶりをみせてくれています。
いじめを乗り越えてきた人だからこそ分かる苦しさ、不安を漫画と文章で綴っています。今問題となっているSNSのいじめ問題について専門家や子どもたちに取材をされており、いじめられている子どもの親御さんにも一読してほしい本です。
いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医
いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉
の贈る言葉
中井 久夫 (著) (中央公論新社)
精神科医の著者が自らの論文「いじめの政治学」を子ども向けにやさしくかみ砕いて書いたもの。中井さんご自身も戦時中の疎開で受けたいじめを経験されたそうです。
いじめはどうして起きるのか、どのようにエスカレートしていくのか、どうして周りは傍観してしまうのかなど分かりやすく解説してくれています。孤立化を防ぐためにも大人がどうかかわっていけば良いのかアドバイスされており、教育評論家の尾木直樹さんも絶賛されています。
ヒトは「いじめ」をやめられない
中野 信子 (著) (小学館)
いじめがおきるのは学校だけではありません。ママ友、スポーツチーム、自治会など人が複数集まればいじめはおこってしまいます。会社で起これば「パワハラ」「セクハラ」と呼ばれる犯罪です。
脳科学者による著者は、いじめは良くないと分かっているのにも関わらずなくならないのは、人間がそもそも種を保存するための本能として持っている防御本能があるからだと説いています。
自身を客観化するメタ認知能力を高め、適切な距離をとるための方法が書かれた本。つかず離れずのほどほどの人間関係を保つためのコツが書かれています。
格差社会や子どもの貧困問題がいじめの一因となり、大人が職場で集団いじめを受け大きなニュースになったりと、いまやいじめはより深刻化する一方。
人は一人では生きていけません。集団行動をしなければいけない場合、避けては通れない問題です。一度よく考えてみてください。