耳をすませて聞きたい絵本
絵本は目で見るだけでも楽しめますが、声に出して読むのもおすすめです。声に出して読んでみると、シンプルで凝縮された言葉が目で文字を追うときよりも心に響いてきます。
子どものころ、だれかに読んでもらった本が今でも記憶に残っているという方は多いのではないでしょうか。
目で、耳で楽しめる絵本は読み聞かせにもぴったりです。
今回は耳をすませて聞きたい絵本を紹介いたします。いっしょに絵本の声に耳を傾けてくださいね。
じっちょりんとおつきさま
かとう あじゅ (著) (文溪堂)
じっちょりんは虫の姿をした小さな生き物。じっちょりん家族がお月見パーティに行くために、おたのしみのみを一生懸命作ります。
じっちょりんたちのお話の背景に、公園や道端に咲いている秋の七草や秋に鳴く虫の名前も掲載されているので、自然とたわむれるのが大好きなお子さまは興味を持ってくれること間違いなし!
優しい色合いで描かれた繊細な自然。じっちょりんたちの楽しそうな声と自然の声が遠くから聞こえてきそうなシリーズ絵本です。
むぎばたけ
アリスン・アトリー (著) (福音館書店)
月と星が輝く夏の夜。小さなハリネズミが目を覚まし、老ノウサギとカワネズミといっしょに月夜のお散歩に出かけます。
ナイチンゲールのさえずり、麦のそよぐ音に耳を澄ませながら美しいイギリスの田舎町を歩いていきます。麦の成長を祈るハリネズミの牧歌的な歌が印象的。
小学校の教科書にも掲載されている名作です。是非、声に出して読んでみてください。
たたたん たたたん
内田 麟太郎 (著) (童心社)
ロングセラー絵本となった「がたごとがたごと」の続編が20年ぶりに発売されました。
たたたん、たたたんと青い列車が海の底を走り抜けますます。乗客は昔話に登場する有名人も!浦島太郎も閻魔様もドラキュラも載っている不思議な列車。
海を突き抜け、宇宙に飛んで、最後にはどこに行きつくのでしょうか?
列車の走る規則的なリズムが心地よく響いてくる絵本。青く優しい色彩が夢の中を旅しているような気持ちになれる絵本です。
列車好きの男の子にも、幼児にもおすすめのリズム絵本。
文字の奥に広がる自然描写、風の音や波の音、人の声などを頭の中で再現できると本を読むのが一段と楽しくなってきます。
絵本いっぱいに描かれた「音」を探してみてくださいね。