ほんのむし

読書はみんなのサプリ

「人生初の」という言葉に秘められたワクワク感

誰もが何をするにしても初めて、それをするときは素人なのです。それは何もネガティブな意味合いばかりがあるのではなく
新鮮味を持って、体験できるという意味では、そうそう何度も味わえない貴重なものなのです。
そんな初体験のお話を3つ集めてみました。

 

『トム・ソーヤーの冒険』

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

著・マーク・トウェイン
あるとき、トム・ソーヤーは、自分は家族からも友だちからも見すてられたと思いました。そこで家を出て、二度と帰らないと決心します。親友のジョーとハックを誘うと、ふたりとも家出に賛成してくれました。
その夜、こっそりいかだを盗んで、ミシシッピ川をくだり、ジャクソン島に向かいます。3人は、真夜中に島に上陸すると、火をおこし、フライパンでベーコンを焼き、トウモロコシパンを食べます。もう朝早く起こされることもないし、学校へもいかない、自由きままに生きていけるのです。
アメリカの作家マーク・トウェインの代表作で、ミシシッピ河畔で育った少年時代を色濃く反映しています。トムの生き生きした子どもらしい破天荒な言動は、今も新鮮で魅力的です。冒険心溢れる小学生の男の子にぜひオススメしたい本ですね。

 

『はじめてのキャンプ』

 

はじめてのキャンプ (福音館創作童話シリーズ)

著・林明子
なほちゃんは、ちっちゃい女の子です。この夏、なほちゃんは、初めてキャンプに行くことになりました。一緒に行くのは、おばさんと4人の大きい子どもたち。なほちゃんは、はじめて大きなリュックを背負って、はじめて指であそんで、
はじめて薪でごはんをつくって、はじめてテントで寝るのです。
大きい子たちは、なほちゃんはちっちゃいからなにもできないと言います。でも、なほちゃんは、ぜったいできるといいました。
小さいなほちゃんの頑張りぶりと、それを認めて受け入れる大きい子たちのやりとりが、自然で、ほほえましいですね。はじめてのキャンプの案内書として使っても楽しいですよ。

 

『ちかちゃんのはじめてだらけ』

ちかちゃんのはじめてだらけ (シリーズ本のチカラ)

著・薫くみこ
ちかちゃんは、生まれて初めて、美容院で髪の毛を切ってもらうことになりました。お店にはいると、いらっしゃいませと、やさしそうなお兄さんが、にっこり笑います。シャンプーをしてもらって、いい気分。
すっかり眠ってしまいました。気がついて目を開けたら、前髪がものすごく短くなっています。おでこはまる出し、毛虫のように太いまゆ毛もまる見えで、泣きたくなってしまいました。
はじめての体験にドキドキする女の子の気持ちを軽快に描く連作集で、少女の繊細な気持ちがよく描かれています。小学生の女の子におすすめしたい物語です。
た。

 

よく、ネットのQ&Aサイトでは、初心者なのですが…という枕詞が使われることがあります。この言葉には、何も知らないから優しくしてねという意味が含まれている、
もっと言えば、甘えの意味合いが強いのではないかと思います。
そうではなくて、初心者だろうがなんであろうが、果敢に立ち向かっていく姿勢に人々は感動を覚えるものなのでしょう。

Copyright © ほんのむし All Rights Reserved.

Privacy Policy