ほんのむし

読書はみんなのサプリ

ただ読むだけではなく、実際に自分の頭を使って推理してみよう

推理小説は読み出すと止まらなくなるくらい面白いものですね。それは作者が作った設定が読み進めるうちに、どんどんおもしろくなるように作られているからなのです。
でも、いつもいつも作者の術中にハマってばかりいる受け身の読書じゃつまらないですよね。
たまには読み進めている本を、いったん閉じて自分なりの推理をしてみると読書の楽しさが倍増しますよ。

 

『くろて団は名探偵』

 

くろて団は名探偵 (岩波少年文庫)

著・ハンス・ユルゲン・プレス
表紙を見てください。あやしい男が、カバンを手に、逃げています。それを追いかけているのは、くろて団の5人組。一見、4人しかいないように見えるけど、よーく見ると分かります。
子どもたちの脇を、リスが走っているでしょう?この本には、60枚の絵と質問がついています。「なぞの家にだれかいると、どうしてわかったのでしょうか?」「ピストルは、どこにあったでしょうか?」
絵をじっくり見て、犯人の「行動を考えると、謎を解くことができます。
絵を読み解きながら進むので、読書に苦手意識のある子どもにもすすめやすいですね。イラストレーターの訳者が、原書を見てたちまち虜になったとあとがきにあるのも納得できます。

 

『怪盗ブラックの宝物』

怪盗ブラックの宝物 (福音館創作童話シリーズ)

著・那須正幹
老舗のすそに立つ古い洋館は、お化け屋敷とよばれています。長いあいだ空家で、怖い噂もありました。その屋敷が解体されることになり、現場を見にいった公平たちは、首のとれたダビデ像とスケッチブックを手に入れました。
ダビデ像には西峰・三角岩・120・「10」と書かれた紙切れが隠されていました。昔、お化け屋敷には怪盗ブラックとよばれた夫泥棒が住んでいたと聞いて、公平たちはブラックの宝を手に入れようと、暗号の謎に挑戦します。
4人の小学生が、個性を発揮しながら謎を解いていく過程がおもしろいですね。子どもたちを助けてくれる大人の存在が、物語に奥行きをあたえてくれます。

 

『エーミールと探偵たち』

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

著・エーリヒ・ケストナー
エーミールは、新聞スタンドのかげで、山高帽をかぶった男を見張っていました。初めてやってきたベルリンで、大切なお金を盗まれてしまったのです。
いっしょに汽車に乗っていたあの男が盗んだにちがいありません。突然、後ろでクラクションが鳴りました。エーミールがびっくりして振り返ると、男の子がげたげた笑っています。
男の子はグスタフという名前で、エーミールの話を聞くと「行動開始だ」といって、すぐに友だちを大勢よんできてくれました。みんなで手分けして、山高帽の男を尾行するのです。
80年以上前に書かれた作品で、電話や新聞など道具立ては古いが、少年たちが自分たちの知恵とカで泥棒を追いつめていく過程はおもしろく、痛快です。町中の子どもたちが泥棒を追いつめる最終場面は、圧巻ですよ。

 

これらの本は推理モノが好きな小中学生にオススメなのですが、大人にも結構歯ごたえがあって用意には分からない部分もありますよ。
ぜひ親子で推理合戦をしてみてくださいね。

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