ほんのむし

読書はみんなのサプリ

ヒーローってどんな形で存在してるんだろう

子供の好きなテレビ番組にヒーロー戦隊モノというのは昔からの定番ですね。悪いやつをやっつける、どんな困難な状況からでもなんとか力を振り絞って頑張る姿は
子供ならずとも勇気づけられます。
でも、そんな絵に描いたようなヒーローじゃないけど、実は勇気という言葉をとてもよく伝えてくれる物語というものがあるんですよ。

 

『つる姫』

つる姫 (福音館文庫 物語)

著・阿久根治子
三島水軍は、瀬戸内海にうかぶ大三島を中心に、あたりの海を守ってきました。三島水軍の娘つる姫は、兄とともに三島城に住み、女ながらも、つわものどもにまじって戦に備えていました。
つるに乗馬の手ほどきをし、弓矢の相手をしたのは、2歳年長の明成。馬をならべて、砂浜から山道へ。たどりついた滝のしぶきをあびながら笛をふく姫と、聞きほれる明成。舟をこいで島をめぐり、潮のおこす海鈴の音に耳をすませるふたり。しかし、楽しい日々は終わりと告げようとしていました。
三島水軍の平和な日々と激しい戦いを描いた歴史小説です。武士の暮らしや伝統的な風習がていねいに書かれて、読みごたえがあります。歴史物に興味が出始めた中高生におすすめしたい本です。

 

『オリーブの海』

オリーブの海

著・ケヴィン・ヘンクス
マーサは、おばあちゃんの住む海辺の家で、家族といっしょに夏をすごすことになりました。近くに住む兄弟は小さいときから知っているのに、今年はなぜか、長男のジミーのことが気になってしかたがありません。ビデオ映画の撮影に夢中になっているジミーは、マーサに手伝ってほしいといいます。きみがいないとだめなんだと、ジミーに手をとられると、どきっとしたのと恥ずかしいのとで、体がぞくぞく。
おなかのあたりもムズムズして変な感じです。
友だちの死から始まるこの物語は、12歳の少女が、友だちのこと、家族のこと、将来のことを自分なりに手さぐりしていく姿を描いています。はじめて男の子を好きになり、傷つき、悩みながら、また一歩前に進もうとする主人公によりそって読んでほしい本です。

 

『きつねものがたり』

きつねものがたり (世界傑作童話シリーズ)

著・ヨゼフ・ラダ
人間に飼われて、字を書くことを習い、人間の言葉が分かるようになった、きつねくん。自由を求めてて、森に逃げだしました。昔話に出てくるずる賢いきつねのように、うまくやろうとするのですが、失敗ばかり。
でも、ふとしたことから、すっかり守番の仕事に憧れたきつねくん。領主様に手紙を書いて、守番の仕事ができるようにお願いしました。1887年生まれのチェコの画家が、子ども向けに書いた素朴な物語です。著者自身でつけた挿絵が、表情豊かで魅力的な絵です。

 

読み終えたあと、誰もが自分の中にヒーロー的な要素があることに気付くのではないでしょうか。
格好いいもの、勇気あるものに憧れる小学生男子にぜひともオススメしたい本ですね。

Copyright © ほんのむし All Rights Reserved.

Privacy Policy