ほんのむし

読書はみんなのサプリ

何で私がこんな目に!と思ったら読む本

子供の頃は、子供に限らず大人になってからも自分ばかりこんな目にあって、神様はひどい!なんていうことを発言するひとを見かけます。
でもね、今回ご紹介する本を読んだら、そんなことは言えなくなるでしょう。

 

『あのころはフリードリヒがいた』

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

著・ハンス・ペーター・リヒター
第二次世界大戦中、ヒトラー権下のドイツでは、ユダヤ人に対する迫害が日に日に強まっていました。そのとき、ごくふつうの家庭の人びとに、いったいどんなことが起こっていたのでしょうか?ぼくとフリードリヒは、同じアパートに住むおさななじみ。両親同士も親しくつきあっていました。
けれどふたりには、どうすることもできない決定的なちがいがありました。それは、僕がドイツ人で、フリードリヒがユダヤ人だったということです。
『ぼくたちもそこにいた』『若い兵士のとき』とともに、著者の自伝的三部作をなす一冊です。大きな歴史の流れの中で、自分だったらいったい何ができただろうか?ドイツ人の立場からユダヤ人迫害を見つめ、大きな問いをなげかけた作品です。

 

『アンネの日記』

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

著・アンネ・フランク
アンネの13歳の誕生日プレゼントで一番すてきなものは、日記帳でした。最初のページに。「あなたになら、これまでだれにも打ち明けられなかったことを、なにもかもお話しできそうです」と書いています。
その直後、一家は、ひそかにかくれ家に移り住むことになります。ナチスによるユダヤ人の迫害から逃れるためでした。8人が、外からの援助で共同生活をはじめます。
アンネは、かくれ家で日記を書き続けます。15歳2か月でとつぜん命を奪われるまで。
アンネは、1944年にラジオである政治家の話を聞き、自分の日記も本にしたいと考え、それまで書いた日記を書きなおしました。本書は、この2種の日記を補充し、さらに1998年に発見された5ページを加えて編集されています。

 

『生きのびるために』

生きのびるために (外国の読みものシリーズ)

著・デボラ・エリス
中央アジアの国アフガニスタンで、長いあいだ紛争が続いていることは、ニュースで知っている人もいるでしょう。そういう国にも、みなさんと同じくらいの子どもたちがいます。11歳の少女パヴァーナのおとうさんは、タリバン兵に連れ去られてしまいます。
食べるものもなくなった家族を救うため、パヴァーナは長いかみを切り、男の子の姿になって町で働きはじめました。
パキスタンのアフガン難民キャンプでの綿密な聞きとり調査をもとにした物語。同年代の主人公に心を寄せることから、世界の現実に目を向けてほしいですね。続編に、『さすらいの旅続・生きのびるために』『泥かべの町』『希望の学校」があります。

 

仕方なくではあっても、ひどい状況を受け入れて前向きに生きていく健気な人生がそこには描かれています。
読後、自分の人生がどんなに恵まれているかを思い知り感謝の念がわいてくることでしょう。
この本は子供たちよりも、現実世界の不条理に打ちのめされている社会人にこそオススメの本です。

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