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獣医さんになりたいという小学生にオススメの本

獣医という職業をみなさんはどんなイメージで捉えているでしょうか。猫や犬の病気を診る動物病院の先生を想像することが多いでしょう。
でもそれだけではないのです。家畜を管理し、酪農の発展に寄与するという大事な役目もあるんですよ。
今回紹介する本には、それ以外にもいろいろな目的が獣医にはあるということを教えてくれます。

 

『ドリトル先生航海記 ドリトル先生物語全集2』

 

ドリトル先生航海記 (ドリトル先生物語全集 (2))

著・ヒュー・ロフティン
ドリトル先生は、動物の言葉がわかるお医者さんです。病気を治すだけでなく、動物の気持ちがよくわかり、悩みを解決してやることさえあります。トミー少年が、けがをしたリスを診てもらったときもそうでした。それまでおびえていたリスは、先生を見たとたん、起きあがってぺちゃくちゃおしゃべりをはじめたのです。
先生は、マッチの軸で添え木をつくり、リスの足にしばりつけました。そして、このリスは寂しがっているのだから、家族に見舞いにくるように、知らせてあげようといいました。
イヌやネズミ、ウマなどのおなじみの動物から、めずらしいゴクラクチョウまで活躍する話は、とにかくおもしろいです。気にいって全12巻を読破する子どもも多いくらいですよ。

 

『長い長いお医者さんの話』

著・カレル・チャペック
むかし、ヘイショヴィナの山にマジャーシュという魔法使いがいました。ある日、マジャーシュは、弟子をどなりつけたとたん、口の中に入っていたウメの実がのどにつまってしまいました。さあ、たいへん。大急ぎでよばれた4人のお医者さんは、手術会議を開いて「急性ウメタネマク気管支カタル」と診断し、手術をはじめます。
どんな手術かって?それは、マジャーシュの背中を力まかせにドーンとどやしつけること。
チェコを代表する作家カレル・チャペックがお話を書き、兄のヨセフ・チャペックが絵を描いています。妖精やカッパが活躍するおとぎ話を現代に運んできた、ユーモアあふれる短編集です。

 

『野生動物のお医者さん』

世の中への扉 野生動物のお医者さん (世の中への扉)

著・齊藤慶輔
野生生物保護センターに、オジロワシが道路脇で動けなくなっているという通報が入りました。野生獣医師の僕は、現場に車を飛ばします。オジロワシに大きなケガは見当たりませんが、ショック状態です。レントゲンを撮ると、首のつけねに散弾銃の弾の影が映りました。
つぎの日には、目を少し開き、肉のかたまりをくわえ、夢中で飲みこむようになりました。野生動物の治療は、医者が治すというよりも、動物が持っている治る力を引き出すだけなのだといえます。
釧路湿原野生生物保護センターに勤務する獣医師の活動を、興味深く知ることができる。とくに、鉛弾による猛禽類の鉛中毒に憤る著者に共感するだろう。

 

人間を相手にするのと違い、言葉はもちろん、いま治療しているよという意志を伝えるのもなかなか困難ですね。
そんな大変な仕事ですが、大きなやりがいと治したときの喜びは格別なのだそうです。将来、獣医になりたいと思っている小中学生にぜひ読んでほしいオススメ本です。

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