誰かにプレゼントを贈るとき、好みのものや相手の生活スタイルを考えてあれこれ悩んでしまいますが、大人になって本当に自分が欲しいものは自分で買ってしまっているものです。せっかく贈り物をするなら相手に喜んで欲しいし、いつまでも傍においておいて欲しいもの。読書が好きな人はそれぞれ好みの世界観があり、ベストセラーは全部読んでしまっていたり、自分のおすすめ本だとしっくりきてもらえないことも。読書習慣がない人には本を贈っても1ページも開いてくれないという悲しいこともあります。
その点、絵本はどんな人でも気軽に手にとってくれます。大人になったからこそシンプルな絵本は忘れかけた純粋な気持ちを蘇らせてくれるもの。今回は男女問わずプレゼントにおすすめの絵本を紹介いたします。記念日や誕生日にちょっとしたメッセージを込めてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
わたしのおじさんのロバ
トビー・リドル(著) (あすなろ書房)
ある日突然、理由もなく家のなかに現れたおじさんとロバが一緒に生活し始めるというちょっぴりナンセンスでシュールな絵本。村上春樹さんが翻訳しただけあり、どの世代も楽しめる絵本です。ロバの人間のような豊かな表情とおじさんの無表情さが対比的で思わずクスクス笑ってしまいます。ロバはおじさんのつくった幻想なのかどうなのか、答えはありません。ゴッホの絵やサティなど大人が喜ぶしかけもたくさんあるオシャレな絵本。知的でクールなお友だちへのプレゼントにおすすめしたい絵本です。
100年たったら
石井 睦美(著) (アリス館)
夏目漱石の「夢十夜」からインスピレーションを受けて作られた作品。ひとりぼっちのライオンと飛べなくなった鳥の出会いと別れ。輪廻転生をテーマに、めぐり逢う運命でいろんな形で出会っていく大切な人。前世で出会ったことのあるような共通点が多く、すんなりと受け入れあうことができる人はいませんか?すべての愛し合う人たちに、ロマンチックでスピリチュアルな世界観が好きな方へのプレゼントにおすすめです。
ぼくのたび
みやこし あきこ(著) (ブロンズ新社)
モノクロからカラーまで、重層的な色彩のリトグラフで描かれた絵本。ホテルマンの主人公が「ぼくだけのたび」を目指して現実世界ではないどこかへの旅を続ける絵本。ノスタルジーで癒される独特の不思議な雰囲気が漂います。ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞、ニューヨークタイムズ・ニューヨーク公共図書館絵本賞受賞作品。旅好きの方、アンニュイな雰囲気が魅力的な方へのプレゼントにおすすめです。
どんなときにでも優しくそっと包み込んでくれるのが絵本。詩の洗練された言葉は読み手を選びますが、もともと子ども向けに書かれた絵本はどんな人の心にも響いてくれます。チョコレートや紅茶などちょっとしたお菓子と一緒にプレゼントをするのもオシャレです。