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考えさせられる絵本

 楽しいだけ、美しいだけの絵本も子どもたちが成長していく上で必要ですが、幼稚園や小学校くらいのお子さまで社会問題を扱った絵本を子どもたちに読んでほしいと思いませんか?先入観もなにもないピュアな状態だからこそ、自分なりの考えを持てる時期だからこそ、いろんな問題に触れて「考える力」を養ってほしいものです。今回は考えさせられる絵本を紹介いたします。国語が大好きな小学校低学年のお子さまの読書感想文にもおすすめです。

 

石たちの声がきこえる

石たちの声がきこえる

マーグリート・ルアーズ(著) (新日本出版社)
 ざらざらな石、つるつるな石。赤や白、灰色の石。大きな石、小さな石。同じ石なのにいろんな形がある。石だけで作られた物語でシリア難民の方々の苦労を描いた話。生まれ育った土地を離れなければならず、異国の土地で安心して暮らせる場所を探さなければならない悲しさ。アートの中から感じる悲しみと切なさ。平和とは何か、真の国際理解とは何かを考えさせられる絵本です。

 

わたしの森

 

わたしの森に

アーサー ビナード(著) (くもん出版)
 森の嫌われ者マムシ。マムシも一つの尊い命には変わりありません。森のなかで揺るぎない信念を持ち、生きるために活動しています。めぐりゆく季節のなかで育まれている命の連鎖。田島征三さんのダイナミックなイラストとともに送られる命について考えさせられる詩的な絵本。雪深い森のなかでもつながれていく小さな命を感じさせられます。

 

わたしの島をさがして

わたしの島をさがして

 ジュノ・ディアス(著) (汐文社)
 ロラは移民の子。赤ちゃんのころに移民してきたので、祖国を知りません。生まれた島を知りたいと家族や近所のひとに聞いて絵を描きます。大きなコウモリやマンゴー、色とりどりのおうち、美しい海、怪物の伝説についてなどドミニカの記憶を辿っていきます。それぞれの国にいろんな事情があること、決して明るいわけではない歴史を知ることによって自分を知ること。自分が覚えていなくても島が覚えてくれている記憶を辿っていきます。

 

 命の記憶、誕生の記憶。生まれてきた子どもたちは現実に振り回されてしまいます。同じ生まれた命でも大きく環境が違うこと、何か手助けをできることを考える良いきっかけになります。

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