児童文学作家のはやみねかおるさんは、昔学校の先生をされていたそうです。子供の本嫌いをなくすために、自分で面白いおはなしを作り始めたのが創作活動のはじまりとのこと。子どものころ夢中になって読んだ記憶があるという方が多いのではないでしょうか?子どもならではの柔軟な何事にもとらわれない視線で、ちょっととぼけた自称名探偵・夢水清志郎をサポートしながら事件を解決していくストーリー。夢水清志郎もここぞというときには、しっかり頼りになる大人の男性。父親や学校の先生の理想像のように感じた思い出があります。
そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート
そして五人がいなくなる<名探偵夢水清志郎事件ノート> (講談社文庫)
はやみね かおる (著) (講談社)
夢水清志郎シリーズ第1作。はやみねさんが20代の小学校の先生をしていたときに書かれた作品です。
岩崎三姉妹の隣の家「幽霊屋敷」に引っ越してきたひょろひょろで黒づくめの男は自称名探偵。もの忘れが激しく、生活はだらしないし、おおめしぐらい。そしてほとんどひきこもり。そんな名(迷)探偵がつぎつぎに子どもたちを消してしまう怪人「伯爵」事件に挑みます。
誰も人が死なないミステリーで、子ども向きの作品ながらもあちこちにトリックがしかけられている面白さ。本嫌いの男の子もきっと夢中になって読んでくれる作品です。
亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎事件ノート
亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)
はやみね かおる (著) (講談社)
第二作目となったこちらの作品は、三つ子の亜衣・真衣・美衣が通う虹北学園が舞台。青春小説としても優れていると評判の作品です。
不思議な伝説「時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ。」「夕暮れどきの大イチョウは人を喰う。」「校庭の魔法円に人がふる。「幽霊坂に霧がかかると、亡霊がよみがえる。」におびえながらも、学園祭の準備にあたふたしているみんな。そんなとき、壊れたはずの時計塔の鐘が鳴り響き事件が起こります。
人気キャラクターのレーチが初登場。事件だけではなく、これからの恋の行方にもドキドキしてしまう作品です。
魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート
魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)
はやみね かおる (著) (講談社)
短編2編が収録された本。シリーズを通して平和的な空気が流れる作品ですが、こちらは社会的な問題も含む異色の作品。シリーズのファンの方は、この本を通して今まで描かれてこなかった三姉妹や名探偵の苦悩、いろんな顔を見ることができます。ホラー要素もあり、切なさもあり、大人も楽しめる作品です。
1994年から15年にわたりシリーズ累計360万部を突破し、アニメ化やドラマ化もされた人気作品です。是非、活字で原作の面白さを感じてください。推理小説がはじめてのお子さまにもおすすめです。