なんだかストレスが多くて疲れちゃった、もうちょっとなのに頑張れないな、もっと強くなりたいと思ったときに読んでほしい小説を紹介いたします。
だれにでも疲れてしまうときはあるもの。そんなとき、自分の心にフタをして頑張ってしまえば無理がたたってしまうかもしれません。
そんなときは誰とも会わない時間を作って読書をしてエネルギーをためるのがおすすめです。疲れたときに、そっと心に寄り添って元気をくれる小説です。是非、手にとってみてくださいね。
願いながら、祈りながら
乾 ルカ (著) (徳間書店)
北海道の片田舎にある中学校分校には1年生4人、3年生1人が通っています。そこに赴任してきた新米教師の林先生。先生、生徒へと各章ごとに目線が切り替わりながら物語は進んでいきます。
思春期ならではの悩みや痛々しい葛藤、自己形成。過疎の村の寂しさが漂いながらも、ときに傷つき、ときに励まされ環境を受け入れて成長していく彼らの青春物語。個性豊かな生徒たちの大きな一年。大人になっても力になってくれる青春の爽やかさと若者の強さが感じられる小背うです。
さよなら、田中さん
鈴木 るりか (著) (小学館)
なんとこの本を執筆した当時は14歳という期待の新鋭作家。小学六年生の女の子と見よりのない母親の貧しくもたくましい母子家庭を描いた表題作をはじめ、鋭い洞察力に感心させられる短編が3本収録されています。将来は漫画家や脚本家にも挑戦したいというだけあり、それぞれの登場人物がキャラクターがはっきりしていて、素直な文章が読者の心にすとんと入ってきます。読書ツウのなかでは評判の笑って泣ける、そして勇気づけられる本です。
ミナトホテルの裏庭には
寺地 はるな (著) (ポプラ社)
大正末期に建てられたようなキャラメル色の洋館ミナトホテル。人通りからはずれたところにあるホテルは美しい季節の花が咲き乱れている夢のような空間です。そこに訪れるお客さんは「眠れない」「食べられない」という人知れず悩みをもったワケありの人間ばかり。
ひょんなことでホテルを手伝うことになった人を避けて生きてきた主人公が人々とのふれあいのなかで人として成長していく物語です。
人間嫌いになったとき、人間関係に疲れたときに手にとってほしい温かな気持ちになれる本です。
心が弱ってしまったときは、自分の考えがまとまらないときでもあります。そんなときは、自分が自分がと言わないで、周りの声に耳を傾けていくことも必要です。友だちと騒いで悩みを紛らわすよりも、そっと自分の気持ちを大切にする時間があってもいいのではないかと思います。