独創的で慣例にとらわれない自由な発想と直感を信じ、ハングリーに突き進んできたスティーブ・ジョブズさん。アップル社の社長を務めながら、多忙な毎日に振り回されず、
決してブレることのない自然に根差した生き方を貫いてきた方です。
決断を多く下さなければいけない立場なので、ストレスをなるべく少なくしようとした結果着る服も毎日同じもの。ITという近未来的なジャンルに身をおきながらも、ヨガや瞑想を日課としていました。
今回はスティーブ・ジョブズさんの愛読書を紹介いたします。インタビューで影響を受けた本と答えた本の数々はジャンルも様々。独創的な発想はどんなジャンルも極めるという知識の深さと柔軟性が読書によって育まれたものかもしれません。
アップルファンの方だけではなく、ビジネスマンの方にも是非読んでみてください。
あるヨギの自叙伝
パラマハンサ・ヨガナンダ (著) (森北出版)
ジョブズが亡くなったとき、iPadに唯一入っていたという本。そこに描かれているのは、この世のあらゆる真理。神、愛、奇蹟生と死、霊的世界、意識の力など、ヨガの聖者である著者の自叙伝。
分量の多い本ですが、ヨガをされている方は、現代科学では解明できない霊的な世界観になじめると思います。決して胡散臭い本ではなく、一人のヨギの物語としても面白い本です。
リア王
ウィリアム シェイクスピア (著) (新潮社)
シェイクスピア四大悲劇のひとつ、リア王。
退位することとなったリア王は、三人の娘たちに王への愛情を伝えさせ領地を分け与えることにします。表面をとりつくろった長女と次女には多くを与え、本音で向き合った末娘の態度に腹を立てて勘当してしまいます。ところが二人には裏の顔があり、リア王は苦悩の道へと転がり落ちていきます。
古典ながら現代にも通用する人間の欲を描いた作品。戯曲を読んだことがない方も世界観に入りやすい作品です。
イノベーションのジレンマ
イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
クレイトン・クリステンセン (著) (翔泳社)
ビジネス書の古典的名著との呼び声が高い本。現在でも適用できるハイテク産業に関する本です。
顧客のニーズに応え、合理的なマーケティングを行い品行方正な経営でも滅びてしまう優良大企業。経営論的には非論理的でありますが、倒産や株価の下落は避けられない事実。革新的技術にチャレンジしたいと思っても、顧客や社内事情が許してくれないという大企業のジレンマ、個 人の能力開発についても同様であり、小さなことから始めてトライアンドエラーを繰り返していくことの大切さを説いています。変化の激しい現代社会だからこそ力になってくれる思考の停止を防いでくれる一冊です。
スティーブ・ジョブズさんは息子さんたちに決して電子機器を与えなかったということでも有名。デジタル機器に囲まれた生活がどのような悪影響を与えるかということを身をもって知っていたからでしょう。その反面、読書をすすめたり絵をかいたりと「創造する時間」を費やすようアドバイスしていたそうです。自分の頭で考える力をつけることはとても大切なことだと改めて感じます。