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【茶道 おすすめ本】本で感じる茶道の世界

 日本文化の神髄ともいわれる茶道。昔は礼儀作法を学ぶため年頃の女性はお稽古ごととして通っていたそうですが、今また外国から禅ブームや、精神を今ここに統一するための修行のひとつとして茶道が注目されているそうです。 
 茶席に出たことがないお若い方だと、礼儀しきたりが多く、なんだか面倒だなぁという印象かもしれませんが、やはり日本に生まれたからには日本の文化を知っておきたいもの。
 今回は茶道に関する本を紹介いたします。心が静まりながらも凛とした気持ちになりますよ。

 

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

 森下 典子 (新潮文庫)
 映画化もされ、女優・樹木希林さんの遺作となった作品の原作となったエッセイ集。
 従妹に誘われ、なんとなくはじめたお茶のお稽古。先生は「ただものではない」といわれたお辞儀の持ち主。20歳から25年間に渡り、ライフステージの変化もありつつもひたすら頭で考えずに身をもって作法をこなしていくうちに手に入る相手への心遣いや五感を開放すること、四季を感じることの大切さ。
 気さくな文章でお茶の世界がわからない人も奥深い世界を味合わせてくれます。

 

あほうかしこのススメ―すてきな女性のための上級マナーレッスン

あほうかしこのススメ―すてきな女性のための上級マナーレッスン (新潮文庫)

 塩月 弥栄子 (新潮文庫)
 千利休の末裔、裏千家の長女の著者によるマナー本。お茶の世界で育ったからこそ、身をもって学んできた心の持ち方が開いてを思いやるマナーに変わっていく様は、嫌みでおしつけがましくなく、一歩ひいたところから相手をたてる日本女性の心構えが学べます。形式にとらわれることなく、ときにはTPOによってマナーをくずすことも大切とおっしゃるお茶目な笑顔。だれかに寄りかかりすぎず、節度をわきまえることの大切さ。上品でお茶目で、こんな風に年齢を重ねていきたいと思わされました。

 

且坐喫茶

且坐喫茶

 いしい しんじ(淡交社)
 茶の師匠への追悼の意を込めて書かれた随筆集。いしいさんにとってお茶の世界は真剣そのもので、創造の力を蓄える場所だったのかもしれません。狭い茶室のなかで繰り広げられる自然や宇宙とのつながり。茶の世界の神髄を味わってみたい方におすすめの一冊。ひとつひとつの文章が心に刻み込まれ、無の境地へ入り込みながらも、人間という存在の小ささや頼りなさを受け止める強さが生まれる本です。

 

 私も10年ほど茶道を続けてきました。最初はお茶菓子に目がくらんでしまうタイプでしたが、回を重ねていくうちに自然と心をときほぐす方法を学べているような気がします。やはり年月を積み重ねることによって目に見えるもの、感じとる能力が開花されていくのが茶道の世界。まずは本の世界で茶の世界を味わってみてください。

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