みなさんは嘘をつきますか?嘘をつかれるのが嫌いですか?悪気のない嘘ならどうでしょう。人を傷つけないためのやさしい嘘なら罪といえるでしょうか。自分の利益を得るために嘘をついたことが一度もありませんか?
そんな嘘をテーマにした本を紹介いたします。笑えるものから考えさせられるものまで、じっくり考えてみてくださいね。
架空の犬と嘘をつく猫 (単行本)
寺地 はるな (著) (中央公論新社)
機能不全家庭の羽猫家。そんな家庭で空想の世界のなかに生きている山吹は大人になってもちょっとした疎外感をいつも感じて生きている。嘘の空想の世界。その空想を抱いている現実。嘘の世界がないと生きてこれなかった現実。ほんわかしながらもシリアスな場面も多く、それでも最後は家族と向き合える読後感が良い作品です。
嘘ですけど、なにか? (講談社文庫)
木内 一裕 (著) (講談社)
主人公の女性は呼吸をするかのように嘘をつく女。彼女とエリートのイケメン男性が出会い恋に落ちたかと思えば、新幹線爆破テロ事件が起こり、待ち受けていたのは逮捕。もう何も信じられない!誰が敵か味方かも分からないドキドキハラハラのクライムサスペンス。著者は「BE-BOP-HIGHSCHOOL」でデビューした漫画家さんで、小説家デビューされた方。展開の早さや登場人物の個性豊かさは頭に映像が浮かんでくるよう。スピード感あふれる展開に息をのみます。
脳は平気で嘘をつく 「嘘」と「誤解」の心
脳は平気で嘘をつく 「嘘」と「誤解」の心理学入門 (角川oneテーマ21)
植木 理恵 (著) (角川書店)
「ホンマでっかTV」に出演されている心理学者さんの本。記憶や認知のゆがみについて書かれています。正座すると嘘をつきにくいなど仕草で見分けることができる、外見の美醜に左右されてしまうハロー効果など脳がつく嘘を知っていたらちょっぴり世渡りが楽になるかもしれません。一般的な心理学について浅く広く読みやすく書かれています。女性脳と男性脳の違いに興味がある方もおすすめです。
真実は逆に人を傷つけてしまうこともあります。嘘ではないけど、心配をかけたくなくてごまかしてしまうこともあります。嘘をつくことが正しいのかどうか、そんなことよりも、ただそう言うしかなかった相手の心に寄り添ってあげるのはどうでしょうか。人の弱さが作り出すものが嘘。だからこそ癒してあげたいとそう思うのです。