あなたは自己中心的だ、悲劇のヒロインじゃないんだからと言われて落ち込んでしまう人におすすめの本を紹介いたします。そもそも人間はだれしも自己中心的な側面を持っているものです。それでもそのような指摘をされる人には特徴があります。
わがままですべてが自分の思うように進まないと気が済まない、他人の忠告を素直に受け入れない、周りの人が自分にとって都合の良い存在じゃないとキレる。少し、周りに甘えすぎなのかもしれません。
しかし、そんな自分の性格を直そうと思える人は、ホンモノの自己チューじゃないと思います。人は変わろうと決心すれば必ず変われます。読書は他人の心に寄り添う力を身に着けることができます。自分の行動を省みながら読んでみてくださいね。
ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人
ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人 (講談社+α新書)
梅谷 薫 (著) (講談社)
一見、まともでいいひとそうに見えるのに、付き合っていくとこの人おかしいと気づくことがあります。そんな危険な隣人に対する対処法が具体的なケースとともに書かれています。心療内科医による丁寧なカウンセリングのような語り口の著書。ただの自己チューだけでストップするためにも読んでおくべき本。他人への攻撃や嫉妬心に悩んでいるという方にもおすすめです。自分が正しい、他人を見下すクセがある人への改善アドバイスも読んでおくと今後役に立つでしょう。
置かれた場所で咲きなさい
渡辺 和子 (著) (幻冬舎)
ノートルダム清心学園理事長をつとめる著者。シスターでも心を乱されることは日々あるそう。キリスト教の教えを中心としながら、その本質は宗教にこだわらず、日本人としての慈しみや清廉された心の在り方を示してくれます。
「~してくれない」と不平不満ばかりいっている「くれない族」や、環境に不満ばかり言って努力をしない考え方をやんわりと否定し、明るく、隣人を愛する方法を教えてくれます。さらっと読める薄い本で、テーマごとにまとめがあるので、何度も読み返して心に刻み込むことができます。
でんでんむしのかなしみ
新美 南吉 (著) (大日本図書)
ある日、自分の殻のなかに悲しみがたくさんつまっていることに気づいたでんでんむし。あちこちの友人に殻のなかの悲しみについて語ります。ところがかえってきた返事は「私の殻のなかにもたくさんつまっている」とのこと。
今の若い人たちは共感してもらえないと怒ってしまうかもしれませんが、悲しみは本来一人ひとり異なるものであり、何一つ共有することはできません。ただそれを背負って生きていく強さが必要なのです。
自分だけが悲しいと思い込む前に、他人の悲しさに目を向けてみるきっかけとなる良作絵本です。悲しみを抱いている人こそ、思いやりを持って人の心に寄り添うことができるはずです。
身の回りに自己チューや悲劇のヒロインがいる場合、とてもうんざりしてしまうもの。そのネガティブな空気に振り回されないように心を強く持つ必要があります。いくら忠告しても、彼らはひとの言葉に耳を傾けないので、本をプレゼントしてあげるのも良いかもしれません。他人の迷惑になっていると気づくことができれば、少しずつ態度を変えてくれるかもしれませんよ。