子どものエネルギーはどこから湧いてくるのかと不思議なくらい。毎日いろんなことに興味をもち、新しいことを生みだす天才です。ときには無茶なことをしてしまうわんぱくっこも。危険を省みずに好奇心のまま突っ走る様子は微笑ましくもあり、ケガをしないか心配にもなります。そんな愛すべきわんぱくっこが主人公の物語を紹介いたします。わんぱくだったあのころに自分の姿を重ね合わせても楽しいです。
いたずら王子バートラム
アーノルド ローベル(著) (偕成社)
毎日毎日いたずらばかりしているバートラム王子は、ついに魔女の怒りをかって竜にされていまいます。わがままだけど憎めない可愛らしい王子は果たして改心するのでしょうか?いたずらの数々は子どもから見ると楽しくてしょうがないでしょうし、そのいたずらも度を過ぎたものではないので微笑ましく感じます。いたずらをしたら叱られる、だれかが困るということをしっかり教えてくれる絵本です。
ジャイアント・ジョン
アーノルド ローベル(著) (文化出版局)
おおきな大人の子、ジャイアント・ジョンはお母さんと二人暮らし。もう食べるものがないと泣くお母さんのために仕事を探しにでかけます。見た目は大男、だけど気はやさしくて力持ち。王様のお城を建て直す仕事をするようになったのですが、妖精の音楽に合わせて踊っているうちに、うっかりお城を壊してしまい・・・。わんぱくとおっちょこちょいの要素を持ち合わせたジャイアント・ジョン。ユーモラスで楽しい絵本です。
わんぱく天国
佐藤 さとる(著) (講談社)
戦争のにおいがたちこめてきた昭和10年。横浜安針塚で対立していた少年グループが、グライダーを飛ばすため協力しあって夏休みを過ごします。凧作りや独楽、めんこ、虫採り、魚つかみ。お外でわんぱくに遊ぶ子どもたちの眩しさ、二度と戻れない輝かしいあの頃を思い出させてくれます。戦争や平和についても考えさせられる、いつまでも大切にしたい本です。
内気な子どもさんも実はわんぱくっこに憧れを抱いていることも。野山や公園で遊ぶ機会がなくなった現代、木のぼりをしたり、探検をしたりといった遊びは現代っこには冒険のような未知の世界観かもしれません。子どものころにいろんなことを体験して大きく育ってほしいですね。