新しい命をおなかに抱え、体も心も敏感になる妊娠期。あかちゃんが生まれたらいやでも自分の時間がとれなくなるので、妊娠中こそゆっくり休んでほしいと思います。
おなかのなかのあかちゃんのためにも、お母さんがリラックスした時間を持つことはとても大切なこと。眠いときは寝て、食べれるときは食べて、ゆったりとした読書の時間を持ってください。今回は敏感な心もやさしくなれる本を紹介いたします。香りの良いハーブティと一緒にくつろぎの時間をどうぞ。
絵本は心のへその緒-赤ちゃんに語りかけるということ-
松居 直(著) (日販アイ・ピー・エス)
福音館書店の創業から関わり編集長として数々の絵本を世に届けた著者の講演のなかで、赤ちゃん、絵本、ブックスタートをキーワードにしてまとめた本です。赤ちゃんの頃から親しんでボロボロになるまで愛読した本はへその緒のようなもので、心の栄養となるそうです。赤ちゃんと絵本の接し方などを考えさせられる優しい語り口の本。お母さんから赤ちゃんへ、言葉をかけることによって絵本を通じて喜びを共有する体験は、一人での読書とまた違った豊かさを手に入れられることでしょう。
そういうふうにできている
さくら ももこ(著) (新潮社)
まる子ちゃんが妊娠!アニメやマンガそのままのようなドタバタ妊娠・出産期。帝王切開による出産で「初めて赤ん坊を見たときにも特別な愛情を感じなかったのは元来人見知りであったから」などのちょっとズレた解析など、面白おかしく書かれているエッセイ。出産に関して漠然とした不安を抱えている方に手にとってもらいたい一冊。深刻になりすぎた心にすきま風を吹かせてくれます。
きみは赤ちゃん
川上 未映子(著) (文藝春秋)
芥川賞受賞の著者が綴った妊娠・育児エッセイ。笑えて泣けて、お母さんたちを応援したくなる一冊。出産してから時間が空いている方も共感の連続です。妊娠が判明してから子どもが一歳になるまでの心と体の揺れ動きや仕事と育児の両立。父親と母親の役割についても考えさせられるので、新米パパさんにもおすすめです。マタニティーブルーの方も是非手にとってみてください。励まされることでしょう。
あかちゃんが生まれてきたら、どんな絵本を読み聞かそうかなと探すのも楽しいかもしれません。お母さんが音読してあげると、おなかのなかでも音は聞こえているそうです。生命の響きを感じながらの読書はまたとない感動を与えてくれることでしょう。