策くて長い冬が過ぎ、おひさまが顔をのぞかせる時間が長くなるころ、地面から草やお花が顔を出し、木々に新緑が芽生えます。そんなうららかな春の季節に読みたい児童書を紹介いたします。過ごしやすい春の季節、のんびりとした気持ちで本を手にとってみてください。きっと穏やかな気持ちになれますよ。
おべんともっておはなみに こどものとも
こいでやすこ(著) (福音館書店)
たのしいたのしいみんなでおはなみ。きつねのきっこさんはお弁当をたくさん作って、いたちのちいとにいと一緒にふくろうのふくすけさんをお誘いに。ところが、ろくすけさんはうりぼうたちの子守り中。おはなみにうりぼうたちも連れて大所帯でのおはなみとなりました。おいしそうなお弁当とみんなで遊ぶ姿の微笑ましさ。春の日のやさしい光が降り注ぐ絵本です。
はるなつあきふゆの詩
ジュリー・フォリアーノ(著) (偕成社)
四季の移り変わり、それぞれの楽しい過ごし方、身を焦がすような情熱とさみしさ。一瞬一瞬が奇跡のようなきらめきを見せて時は過ぎていきます。詩人の石津ちひろさんが翻訳を手掛けた情緒あふれる詩が48編掲載されています。春を告げる小鳥と女の子のまっすぐな瞳が印象的な表紙。落ち着いた色彩が自然で、ロマンチックな詩集です。大人の方にもおすすめです。
はるがきた (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)
ジーン・ジオン(著) (主婦の友社)
「どろんこハリー」で有名な作画コンビによる春の絵本。暦のうえでは春のはずなのに、今年の春はどうしてかなかなかやってこない。春が待ち遠しい街の人がとった行動とは?モノクロの世界からどんどん色づいて、春を感じさせるやさしい色合いになる様子にうきうきさせられる絵本。お天気の悪い日の読書にもおすすめです。
春は意外と短い季節。日本では始まりの季節でもあるので、なにかとあわただしく過ぎてしまうもの。季節を感じ、命を愛おしむための時間をもってくださいね。