ヴェルサイユ宮殿の歴史について
きらびやかで優雅。ルイ14世が建てたヴェルサイユ宮殿は、ただの贅沢ではなく政治の権力の象徴として利用されたものです。
産業革命の影響により、労働こそが正義と市民たちが権力を得ましたが、それまでの貴族や王族たちは労働ではなく暇閑こそが教養。美術品や装飾品、文化を愛した王族たち。
そのおかげで、さまざまな芸術が花開いたのです。今回は、そんな一流の芸術品の宝庫ともいえるヴェルサイユ宮殿へ旅できるような本を紹介いたします。まぶしいくらいに輝く宮殿は夢のよう。是非お楽しみください。
ヴェルサイユ宮殿
クリストフ フアン(著) (筑摩書房)
ヴェルサイユ宮殿専属カメラマンが撮影した公式写真集。マリー・アントワネットの寝室や宝石箱、秘密の小部屋や隠し扉までくまなく撮影された宮殿の秘密がつまった写真集。ゴージャスな大理石、柱の装飾など細部までゆっくり鑑賞することができる美しく可憐な写真集。ヴェルサイユ宮殿に行く予定の方も是非手にとっていただきたい一冊です。
ヴェルサイユ宮殿に暮らす—優雅で悲惨な宮廷生活
ウィリアム リッチー ニュートン(著) (白水社)
毎晩開かれる舞踏会に着飾った女性たち。華やかな宮廷生活の裏側にあったのは226部屋もある巨大迷路での生活、千人を超す人たちの暮らし。
何事も王の許可を得なけらばならない生活は現代人からみたら堅苦しく不便と感じることも。住居としてヴェルサイユ宮殿をとらえたときにどうみえるかという視点で綴られた生活臭あふれる宮殿の姿が赤裸々に語られています。
庭師が語るヴェルサイユ
アラン・バラトン(著) (原書房)
高校卒業後、ふとしたきっかけでヴェルサイユ宮殿の庭師となった著者によるヴェルサイユ庭園の歴史や魅力が語られた本。
庭園を愛したルイ14世やマリー・アントワネット、園芸の機械化への批判や庭師としてのプライド。庭園での恋愛模様など宮殿の裏話もたっぷり。ヴェルサイユの庭を散歩しているような気持ちになれる本。庭づくりが好きな方にもおすすめです。
歴史ある建物には、そこに暮らした人々の生活やドラマがつまっているもの。華やかな舞台の裏側をのぞいてみるのも楽しみのひとつです。フランス文学を愛する方にもおすすめの本です。