女の子、特に小学生時代の友達って、とても貴重な存在ですね。
思春期から大人にかけてできる友人とは違って、何も利害関係が絡まず、虚勢を張る必要もなく素直に自分をさらけ出せる大切なものです。
そんな女の子同士の心温まる友情を描いた名作を紹介します。
『秘密の手紙0から10』
著・シュジー・モルゲンステルン
10歳のエルネストは、おばあさんと二人暮らしです。毎日きちんと起きて学校へいき、同じ道を通って家に帰り、おばあさんといっしょに静かな夕食を摂ります。ジーンズもトレーナーも持たず、いつも地味な格好をしています。
友だちもいません。ある日、ヴィクトワールというとびきり元気な女の子が転校してきて、エルネストはすっかり気に入られてしまいました。ヴィクトワールの家にいってみると、そこにはなんと13人もの兄弟がいて、てんやわんやの大さわぎ!
静と動を絵にかいたようなふたつの家族のギャップがおもしろく、意外な展開に、どんどん引きこまれるでしょう。姿を消した父親の秘密もからませ、ユーモラスな展開の中に人生の機微を感じさせる、フランス児童文学の名作です。
『マーガレットとメイゾン マディソン通りの少女たち1』
マーガレットとメイゾン―マディソン通りの少女たち〈1〉 (ポプラ・ウィング・ブックス)
著・ジャクリーン・ウッドソン
ニューヨークのブルックリンに暮らすマーガレットとメイゾンは、永遠に親友と誓い合った仲です。でも12歳の夏、マーガレットのおとうさんが心臓発作で亡くなり、メイゾンも遠くはなれた寄宿学校に入学することになります。いつも一緒だった2人。離れてしまっても友情は続くのでしょうか?
メイゾンのおばあちゃんは、友だちでいるっていうのはむずかしい場合もあるといいます。友だちっていうのは、そばにいてほしいときと、いてほしくないときが、分かっている人のことだそうです。
1964年生まれの著者の子ども時代を反映した「マディソン通りの少女たち」シリーズ。アフリカ系アメリカ人としての自分を見つめる『青い丘のメイゾン」、新しい展開を見せるふたりの友情を描く『メイゾンともう一度』と続く3冊を、まとめてオススメしたいですね。
『空色の地図』
著・梨屋アリエ
こんにちは。未来の私、こんな書き出しで始まる手紙が、初音のところに届きました。未来の自分に宛てた手紙を受けとって、初音は、おばあちゃんの家で過ごした小学2発生の夏休みを突然思い出しました。
隣の家にいた、同い年の美凪ちゃんと毎日遊んだ夏。あの泣き虫美凪は、どうしているだろう。初音は、胸が苦しくなるほど美凪に会いたくなりました。ようやく探しあてた美凪は、泣き虫どころか、すっかりかっこよくなっていました。
初音の一人称で、空回りする友だちとの関係、親や親類とのすれちがいなどが素直に綴られ、6年間の美凪と初音の成長を身近に感じられる、切ない物語です。多感な小学校高学年の女の子にすすめたい本ですね。
最近の例で言うと、『ちびまる子ちゃん』に登場する、まるちゃんとタマちゃんの関係がそうでしょうか。
仲が良くて、いつも一緒で、たまに少し行き違いがあっても、またすぐに元通りになるという。そんな理想的な関係が築ければ幸せですね。
小学生の女子にぜひオススメの本です。