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【ロマン主義文学 おすすめ】文豪たちが書いた、「ロマン主義文学」おすすめ本3選。

今回は「ロマン主義文学」の名作3選を紹介します。

初心者の方にも読みやすいのでおすすめです。

どの本も好きな本ランキングの常連本でもあるので、良い教養になるかと思います。

 

 

スタンダール『赤と黒』

赤と黒(上)

フランスの文豪スタンダールの代表作で、ナポレオン没落後の王政復古時代を背景に、美青年の主人公ジュリアン・ソレルの半生を描いた物語です。サマセット・モームはこの小説を『世界の十大小説』に取り上げています。

主人公ジュリアンは若く才気に溢れ、純粋で理想主義的だけど野心的な面も持ち合わせた、中々複雑な人間です。

ストーリーだけを抜粋すると、ジュリアンは、家庭教師を務めるレーナル家の奥方レーナル夫人と不倫関係になったり、貴族の令嬢マチルダを誘惑したりと、ロクでなし男のようにも思えます。しかし、そこには強烈な情熱と葛藤が渦巻いていて、読んでいるとつい引き込まれ胸を打たれてしまいます。

起伏に富んだストーリーと衝撃的で美しいラストが印象的な、情熱に満ちた物語です。

理想と現実の間で葛藤を覚えやすい、高校生から大学生くらいの学生さんには特にオススメかなと思います。

 

 

ノヴァーリス『青い花』

 

青い花 (岩波文庫)

ドイツの初期ロマン派を代表する作家ノヴァーリスの遺作です。残念ながらノヴァ―リスが29歳の若さで亡くなってしまったため未完に終わっています。

物語は主人公ハインリヒが青い花の夢を見るところから始まります。その青い花からは美しい女性の顔が覗いており、それに心を惹かれたハインリヒは旅に出でます。

物語は主に、旅の中でハインリヒが詩人として目覚め成長していく様子を描いたシンプルなものですが、実は複雑な構造をしていて非常に奥が深いです。

また、第一部を締めくくるメルヘンは、愛や詩といったモチーフに混ざって当時の科学知識までもが取り込まれていて、その豊かな想像力と美しさには、読んでいて度胆を抜かれました。

未完の作品ですが、その後の展開を作者本人が残したノートなどから知ることができるようになっています。これがまた凄くて、もし完成していたら……と思わず考えてしまいます。

哲学的なところもある本で、詩や文学が大好きという人は特に感じるところが多い一冊だと思います。

 

 

泉鏡花『高野聖』

高野聖 (角川文庫)

明治から昭和初期にかけて活躍した日本の文豪泉鏡花の作品で、幽玄さとともに艶っぽいところもある怪奇譚です。

あるお坊さんが若かりし日に、旅の山中でたどり着いた一軒家。そこには妖艶な女が住んでいて……、といった内容です。入れ子構造のお話で、それが物語に素晴らしい効果を与えています。

幻想的な雰囲気がむせ返るように渦巻いて、ゾクゾクしました。

泉鏡花は、内容もさることながら独特な文体が魅力です。

人によっては読みにくく感じることもあるかもしれませんが、非常に美しい表現と、リズム感を是非味わって欲しいと思います。一度ハマると病みつきになりますよ。

日本文学好きはもちろん、最近日常に少し飽きを感じている社会人の方なども泉鏡花の描く、めくるめく世界を体験されてはいかがでしょうか?

 


【ロマン主義文学 おすすめ】文豪たちが書いた、「ロマン主義文学」おすすめ本3選

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