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【音楽学・音楽史を知りたい人へ】実際に読んで良かったおすすめ本10選【音楽学 歴史】

 

 

音楽をただ「聴く」対象から、「歴史や社会と結びついた文化的存在」として理解したいと思ったとき、本の力は大きい。この記事では、Amazon.co.jpで入手できる「音楽学・音楽史・音楽学史」に関する本から、実際に読んで面白さを感じたもの、信頼できる参考書としておすすめできるものを10冊紹介する。専門家にも初心者にも入りやすく、かつ深く掘る手がかりになる本を選んだ。

おすすめ本10選

以下の10冊は、入門〜中級〜専門へと段階的にステップアップできるラインナップを意識した。

1. 決定版 はじめての音楽史:古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで (音楽之友社/単行本)

西洋音楽史だけでなく日本の音楽、現代音楽までをコンパクトに概説する入門テキスト。20年以上売れ続けており、章間コラムも加えられて新版化されている。

 

 

初めて音楽史を手に取る人、全体像をつかみたい人におすすめ。各時代の音楽文化を俯瞰できる構成が嬉しい。

おすすめポイント:網羅性と読みやすさのバランスがよく、「何が流れとしてつながっているか」が見えるようになった実感が持てた。

2. 西洋音楽史:「クラシック」の黄昏(中公新書)/岡田 暁生 著

「クラシック音楽とは何か?」という問いから始まり、時代ごとの流れを社会・思想・制度と絡めて語る読み物としても優れた音楽史本。

 

 

クラシック音楽ファン、歴史を物語として読みたい人におすすめ。文章が巧みで、読み物として引き込まれる。

おすすめポイント:著者の語り口が明快で、社会情勢の変動と音楽の変化を結びつけて語るので、「なぜこの時代にこういう音楽が生まれたか」が腹に落ちる。「音楽を歴史的に聴く楽しみ」が開かれた。

3. 西洋音楽史再入門:4つの視点で読み解く音楽と社会 /村田 千尋

楽譜・楽器・人・場・機能という4つの視点から西洋音楽史を再構成するアプローチの入門書。

 

 

教科書的な年表整理に飽きた人、音楽と社会の関係性を意識した読み方を知りたい人におすすめ。

おすすめポイント:ただ年代を追うだけでなく、「なぜこの楽器/この機能が重要だったか」を視点で掘り下げる構成が新鮮で、理解が深まった実感があった。

4. 新西洋音楽史(グラウト/パリスカ訳版・上中下)

古代〜20世紀までを網羅する音楽史のスタンダード教科書。日本語訳版も刊行されており、上中下巻に分かれて読むことができる。

 

 

 

 

学部・大学院レベルで使われることの多い本書は、しっかりと学びたい人向け。特定時代を深く掘る際の“辞書”的役割も果たす。

おすすめポイント:教養的かつ学術的裏付けが強く、注釈・参考文献が豊富。自分で読み進めていくうちに、理解が定着した体験があった。

5. 歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書

古代から現代ポピュラー音楽までを歴史的に振り返るテキスト。ジャンル横断的な広がりがある。

 

 

クラシック以外のジャンルにも触れたい人、通史+ジャンル融合型読み物を探している人におすすめ。

おすすめポイント:複数ジャンルをつなげて眺められる構成で、幅を持たせて読むと「今聴いている音楽はどう歴史につながるか」が見えてくる実感を得られた。

6. 西洋音楽史 〔新訂〕(放送大学教材)

放送大学のテキストとして改訂版が出ており、学習用に整理された構成と解説がある。

 

 

体系的にじっくり学びたい人、音楽学の講義代替テキストを探している人におすすめ。

おすすめポイント:学習用に丁寧に整理されているので読み飛ばしやすい構造もあり、理解を補助する構成として助かった。

7. 西洋音楽史大図鑑

豊富な図版やイラストを用いて、作曲技法・音楽文化・作曲家の変遷を視覚的に俯瞰できる図鑑形式の本。

 

西洋音楽史大図鑑

西洋音楽史大図鑑

  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
Amazon

 

テキストだけだと構造が見えづらいと感じる人、視覚的アプローチで歴史をイメージ化したい人におすすめ。

おすすめポイント:図版を見ながら読むと、時代の「変わり目」や技術革新のタイミングが感覚的に把握でき、記憶への定着を助けてくれた。

8. 〈無調〉の誕生:ドミナントなき時代の音楽のゆくえ/柿沼 敏江

20世紀音楽の調性崩壊、無調・前衛音楽の生成をテーマに考察した論考。

 

 

20世紀音楽・現代音楽を深く掘りたい人、調性感覚の枠組みを問い直したい人におすすめ。

おすすめポイント:調性を前提にした音楽史観の枠組みを揺さぶられ、「なぜ調性は崩れたのか」「どう変わったか」が視角を変えて理解できた。

9. 音楽史と音楽論(改訂版/放送大学教材)

音楽史史料・理論・論点を含めて構成されたテキスト兼論考書。

 

 

歴史的視点と理論的視点の橋渡しをしたい人、論点整理したい人におすすめ。

おすすめポイント:各時代/論点が明示的に整理されており、議論を整理したいときに「参照書」として重宝する実感があった。

10. カラー図解 楽器の歴史/佐伯 茂樹(他訳含む)

楽器史をテーマに、各時代の楽器の変遷・構造・文化的位置づけを図解中心に解説。

 

楽器そのものにも興味がある人、音楽技術と文化を結びつけたい人におすすめ。

おすすめポイント:楽器の変化は音楽そのものの可能性に直接関わるため、楽器史が補完されると全体像の理解が強まる、という実感があった。

関連グッズ・サービス

本だけでなく、併読や体験として補助になるものを紹介する。

  • Audible:または オーディオブック版:読みながら聴ける形態は歴史書との親和性が高い。
  • Kindle Unlimited:ページめくりや検索性がよく、ハイライト・注を入れやすい。
  • 楽譜・スコア集:例えば楽譜付きの作曲家全集や時代別作品集を手元に置くと理解が深まる。
  • 音楽ストリーミングサービスのプレイリスト(「時代別クラシック名曲集」など):本で読んだ時代を、実際に聴いて確認しながら進められる。
  • オンライン講座・MOOC(音楽学・音楽史入門):映像+図版付きで補強できる。

 

www.amazon.co.jp

 

特に、文章だけで理解が追いつきにくければ、オーディオブック+音楽演奏サンプルを併用するのが効果的だ。

まとめ:今のあなたに合う一冊

「音楽学 歴史」に興味を持ったあなたには、まず 決定版 はじめての音楽史 を読んで全体像をつかむことをおすすめする。その上で、 語り口を楽しみたいなら → 西洋音楽史:「クラシック」の黄昏 体系的にしっかり学びたいなら → 新西洋音楽史(グラウト/パリスカ) 視覚的補助を得たいなら → 西洋音楽史大図鑑 と進むとよい。歴史書には記述者の視点が必ず反映されるため、複数の本を読み比べて「なぜこの年代で変化が起きたか」を自分なりに問いながら読むと、学びが深くなる。

よくある質問(FAQ)

Q: 音楽史の本は初心者でも読みやすい?

A: はい。今回紹介した入門書(たとえば「はじめての音楽史」「西洋音楽史再入門」)は、歴史や理論の知識が薄くても読めるよう配慮された構成になっている。

Q: どのくらいの順序で読むのがよい?

A: まず概観できる入門 → 次に読み物系(語りを感じられる本) → それから教科書/専門書(注釈や論考付き) → 必要なら論文・専門論考へと進むのがおすすめ。

Q: 音楽学史(音楽学そのものの歴史)を知りたい本はある?

A: 音楽史(作曲・演奏・文化の歴史)とは少し異なるが、音楽学史を扱った本や論文も存在する。各大学の音楽学部の授業で使われるテキストや、「音楽学・音楽教育学」カテゴリの専門書を探すとよい。

Q: 電子書籍(Kindleなど)と紙書籍、どちらがよい?

A: 電子書籍はハイライトや検索性に優れ、参照しやすい。一方で紙書籍はマージンにメモを書き込める利点がある。好みに合わせて使い分けるとよい。

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