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【記憶心理学おすすめ本】実際に読んで“使えた”書籍10+6選【基礎→応用→実装】

この記事ではAmazonで買える「記憶心理学」のおすすめ本を厳選して紹介する。実際に読んで、仕事や学習、支援の現場で“使えた”ものだけを選んだ。

記憶心理学とは?

体験がどのように符号化され(エンコード)、保持され(貯蔵)、必要な瞬間に取り出される(想起)かを、実験・脳科学・発達・臨床・教育を横断して解き明かす学問だ。

扱う領域は多岐にわたる。エピソード/意味/手続き記憶、作動記憶と長期記憶、海馬による固定化(コンソリデーション)、忘却と干渉、メタ記憶、虚記憶、自伝的記憶、加齢と発達差、さらには臨床・教育・司法への応用までを含む。この記事では基礎→応用→実践の順に10冊を厚盛りでレビューし、最後に知覚・認知心理学・思考心理学との違いも整理する。

 

おすすめ本10選

1. 記憶心理学と臨床心理学のコラボレーション

 

 

基礎研究で分かった「覚える・忘れる・思い出す」の仕組みを、臨床と支援の現場に橋渡しする実践寄りの論集だ。PTSD・解離・抑うつ・認知症など臨床的テーマに、想起のバイアスや文脈依存性、再固定化(リコンソリデーション)といった知見をどう応用するかが具体的に示される。評価面(面接・質問紙・実験課題)と介入面(リハビリ・心理教育・環境調整)が両輪で書かれており、ケース検討に直結する。研究と臨床の往復が当たり前の調子で書かれているため、専門間の“翻訳コスト”が低い。記憶の誤り=病理ではなく、適応と不適応の連続体で捉える視点も得られる。自分はこの本で、面接記録の言葉を「体験→記憶痕跡→想起過程」に分けて書き直し、支援計画が明確になった。

こんな人に刺さる:
・臨床と研究の距離を詰めたい/症状説明を記憶モデルで語りたい/トラウマの想起を安全に扱いたい/認知症ケアの非薬理的支援を増やしたい/スクールカウンセリングでの学習支援を強化したい/ケース会議で“記憶の作られ方”を共有したい/面接の質問順を改善したい/心理教育の教材を探している/多職種連携の共通言語が欲しい/論文を現場日本語に訳す練習をしたい。

おすすめポイント:エピソード記憶と手続き記憶を分けて支援目標を立てるだけで、介入の手順が迷わなくなった実感がある。

2. 記憶と日常(現代の認知心理学2)

 

 

教科書の定番シリーズの“記憶”担当巻。作動記憶・長期記憶・メタ記憶・忘却・干渉・文脈依存性など、王道トピックを最新の実験とともに整理する。図表と小見出しがよく練られていて、要点の捕捉が速い。学術の厳密さを保ちつつ、学習・仕事・コミュニケーションへの応用例が丁寧で“日常の心理学”に落ちる。章末のまとめが実務メモとして使いやすい。まず骨格を固めたい人に向く。

こんな人に刺さる:
・基礎から丁寧に学び直したい/大学の講義と連動させたい/学習法の根拠を理解したい/日常の“覚え違い”を説明したい/面接・コーチングの質問設計を改善したい/研究計画の背景を短時間で整えたい/実習や授業のレジュメ母体が欲しい/チームで共通言語を作りたい/認知心理の隣接分野へ橋をかけたい/卒論・修論の導入を書きたい。

おすすめポイント:章末要約をそのまま「仕事術チェックリスト」に流用したら、会議の記憶違いが減った。基礎が日常に効く。

3. 記憶現象の心理学:日常の不思議な体験を探る

 

 

「舌先現象」「既視感」「時間の歪み」「フラッシュバルブ記憶」など、誰もが経験する“不思議”を実験で料理する魅力的な読書案内。現象名→歴史→代表研究→現在の合意、と手堅い進行で、俗説と実証の線引きが明快だ。図版や小実験の紹介が多く、読書会や授業のネタに強い。雑学で終わらせず、理論の芯に戻る設計が秀逸。読むほど「記憶は再構成」という視点が自然と染み込む。

こんな人に刺さる:
・記憶の“あるある”を科学で語りたい/授業・ワークショップの題材が欲しい/俗説のアップデートをしたい/取材や執筆の裏取りをしたい/臨床面接での“体験と記憶の違い”を整えたい/司法・聴取の注意点を学びたい/学生に興味の火をつけたい/家族の“記憶違い”を穏やかに説明したい/研究の導入で掴みを作りたい/リテラシー教育に関心がある。

おすすめポイント:ゼミで「既視感」の章を扱ったところ、毎回必ず自分事として議論が深まる。汎用性の高い一冊だ。

4. 記憶の神経心理学(神経心理学コレクション)

 

 

海馬・扁桃体・前頭葉を中心に、記憶の神経基盤を臨床と結び付けて解説する硬派なテキスト。症例(健忘・側頭葉てんかん・前頭葉損傷など)と課題(再認・遅延再生・手続き)で機能分化を見せていく。機能画像や神経心理検査の読み方もコンパクトにまとまり、臨床の足腰が鍛えられる。行動レベルの記述と脳の話がきれいに繋がる良書だ。

こんな人に刺さる:
・神経基盤を押さえたい/症例の見立てに厚みを出したい/検査バッテリーを設計したい/海馬損傷の学習支援を考えたい/恐怖条件づけと記憶の関係を整理したい/研究と臨床の橋渡しがしたい/医療・リハ・教育の共通言語が欲しい/論文を読む筋力をつけたい/神経心理の用語を現場日本語に訳したい/画像所見と行動のつながりを語りたい。

おすすめポイント:ケース記述が具体で、面接の質問が即座に改良できた。臨床家の実務に直結する一冊だ。

5. 記憶の心理学(太田 信夫)

 

記憶の心理学

記憶の心理学

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日本語で読める“王道の教科書”。記銘・保持・想起の三過程から、痕跡・検索手掛かり・メタ記憶・忘却・再構成まで、基礎をバランスよくカバーする。説明の語り口が堅実で、図と代表研究の押さえが正確。学部〜大学院の講義に耐える質だが、一般の学び直しにも親切だ。まずはここで“地図”を作ると、専門書が楽になる。

こんな人に刺さる:
・教科書的な全体像が欲しい/試験・レポートの骨格を固めたい/古典研究の位置づけを知りたい/学習指導・仕事術の根拠を押さえたい/臨床の基礎を磨きたい/卒論の導入で迷っている/心理学初心者の読書会を運営したい/用語の定義を統一したい/研究の再現実験を企画したい/英語論文に入る前の準備をしたい。

おすすめポイント:章末の推薦文献リストが秀逸で、次に何を読むか迷わない。読書が“系統立つ”。

6. 自伝的記憶の心理学

 

 

個人の人生を編む“自伝的記憶”に焦点を当てた専門書。自己・アイデンティティ・感情・文化の絡み合いを、面接・回想法・ナラティブ分析・実験で追う。偽りの記憶や空白の補完、社会的共有記憶など、臨床・教育・福祉現場に効く論点が多い。ライフレビューや回想法の設計を科学の地図に載せ直せる。読み応えがあり、専門性を高めたい人におすすめだ。

こんな人に刺さる:
・ライフストーリー支援の根拠を持ちたい/家族援助・福祉で回想を用いたい/自伝的記憶の測定法を知りたい/文化差・ジェンダー差に関心がある/虚記憶の扱いを慎重にしたい/臨床面接でナラティブを整理したい/教育で“自己の物語”を扱いたい/アーカイブ・メモリースタディーズに関心がある/研究テーマを探す院生/質的×量的の併用を学びたい。

おすすめポイント:回想ワークの問いを「経験→意味→文脈→今の選択」へ並べ替えたら、面接の質が上がった。

7. 記憶の生涯発達心理学

 

 

乳児期から老年期まで、記憶の発達・加齢変化を縦断的に見渡す教科書。作動記憶・エピソード記憶・意味記憶・メタ記憶が各発達段階でどう変わるか、課題と神経成熟の両面から整理される。加齢に伴う低下だけでなく、補償・戦略・知恵の獲得にも目配りが利く。教育・臨床・介護の橋渡しに強い。

こんな人に刺さる:
・年齢差の“普通”を押さえたい/教科別・学年別の記憶支援を考えたい/高齢者支援でリハの根拠を持ちたい/保護者説明で発達曲線を示したい/職業訓練で記憶戦略を教えたい/ライフスパンの研究計画を立てたい/学校心理・医療・福祉の連携に関心がある/発達障害との交差を知りたい/メタ記憶教育の設計をしたい/加齢に伴う強みの活かし方を学びたい。

おすすめポイント:学年×記憶機能のマトリクスを授業設計に流用したら、宿題の“やり方”指導が具体化した。

8. 記憶の心理学と現代社会

 

 

SNS・検索・AI・監視社会と記憶との関係を、リテラシーと倫理の視点で読み解く時事性の高い一冊。外部記憶(エクソメモリー)への依存、集合記憶の変容、フェイクと虚記憶の連鎖など、今の時代に避けて通れない論点が丁寧に整理される。教育・広報・政策の現場に刺さるテーマが多い。記憶研究の“外側”を見る良い訓練になる。

こんな人に刺さる:
・教育現場での情報リテラシー指導を設計したい/広報・メディアの表現を点検したい/SNS時代の“覚える”を再定義したい/企業のナレッジ管理を考えたい/公共政策と記憶の関係に関心がある/フェイクの拡散を心理学で説明したい/若者の学習戦略の変化を捉えたい/研究テーマのフロンティアに触れたい/AI時代の学び直しを考えたい/倫理面の議論を深めたい。

おすすめポイント:授業で“外部記憶の設計”を取り上げたところ、ノートと検索の役割分担がうまく機能し始めた。

9. Remember 記憶の科学

 

 

海外の人気サイエンス筆者による、最新知見の読み物。研究者インタビュー・臨床現場・当事者の語りを織り交ぜ、エピソード・意味・手続き・感情の交差点を描く。虚記憶やSNS時代の記憶、加齢と戦略など、今読みたい話題に強い。読みやすさに反して引用がしっかりしており、一次資料に辿れる。専門書の前に“全体の呼吸”を掴むのに適する。

こんな人に刺さる:
・とにかく面白く学びたい/研究の今をつかみたい/授業の導入テキストが欲しい/一般向け講演の材料を探す/家族に記憶の話を分かりやすく伝えたい/虚記憶のリスクを知りたい/職場の学習戦略を見直したい/高齢家族の支援のヒントが欲しい/サイエンスライティングに関心がある/英語原典へ行く前の足慣らしをしたい。

おすすめポイント:章ごとの“実生活のコツ”を週報に載せたら、チーム全体の学び方が少しずつ良くなった。

10. 記憶のしくみ 上(ブルーバックス 1842)

 

 

王道の科学新書で、記憶の基礎を数式なしで丁寧に追える。神経回路の視点と心理実験の視点が無理なく同居しており、学部生〜社会人の独学に向く。上巻だけでも「記銘→保持→検索」の主要論点が押さえられ、下巻と合わせると研究史まで見通せる。図が明快で、講義の板書づくりにも好適だ。

こんな人に刺さる:
・新書サイズで体系的に押さえたい/通勤時間で読み進めたい/授業前の予習に使いたい/高校生の探究学習にも勧めたい/家族に勧めやすい一冊が欲しい/専門書に入る前の肩慣らしをしたい/研究の全体像を短時間で掴みたい/面接やコーチングの背景を固めたい/プレゼンの例え話を増やしたい/科学読み物として楽しみたい。

おすすめポイント:図表が使いやすく、社内勉強会のスライド作成が大幅に時短できた。基礎固めの即戦力だ。

応用・実装編

11. 記憶・思考・脳(キーワード心理学シリーズ 3巻)

 

 

30の重要キーワードで「記憶―思考―脳」を素早く横断するポケットテキストだ。記憶術・デジャヴ・確率の誤解・意味ネットワークなど、授業や研修の導入ネタに強い。短い項目でも原典の位置づけが明確で、用語の“ズレ”を矯正できる。自分は会議前の10分で要点をさらい、スライドの骨子づくりに直結させた。思考・意思決定の論点に足を伸ばしたい人の踏み台として優秀だ。

おすすめポイント:章立てをそのまま“朝礼ミニ講義”に転用できる。用語の共通化が一気に進む。

12. 学習心理学への招待 改訂版:学習・記憶のしくみを探る(新心理学ライブラリ 6)

 

 

条件づけから作動記憶・メタ記憶まで、学習研究の王道を地図化する入門書。課題設計の“落とし穴”が随所に書かれており、卒論・実践の失敗を未然に減らせる。教育・トレーニング設計者にとって、記憶を“学習の流れ”の中に置き直すのに最適だ。

おすすめポイント:章末のチェックを授業設計のToDoに写経すると、無駄な指導が減る。

13. 記憶のしくみ 上(ブルーバックス 1842)

 

 

カンデル/スクワイア系譜の“神経×心理”を平易に橋渡しする名作。痕跡形成・固定化・検索の基礎を、症例と動物研究を交差させて描く。図版の質が高く、非専門の同僚への説明にも使いやすい。上巻だけでも記憶の全体像を掴めるが、下巻と合わせると研究史の筋が通る。

おすすめポイント:図表を会議の資料に引用すると、脳の話が“伝わる言葉”に変わる。

14. 大学生と教員のための学校教育心理学

 

 

教育現場で“覚えさせる/思い出させる”を設計するための基礎を一冊で。学習理論・評価・授業デザインを俯瞰し、記憶研究のエッセンスを授業運営へ翻訳する。講義・ゼミの共通テキストとして、指導側と学習者側の視点を接続できる。

おすすめポイント:“取り出し練習(テスト効果)”と“間隔反復”をカリキュラムに落とし、成績の分散が縮まった。

15. 未来の記憶のつくり方 ― 脳をパワーアップする発想法(DOJIN選書 19)

 

 

“プロスペクティブ・メモリ(将来記憶)”を日常の実践に落とす軽快な一冊。ワーキングメモリと手続きを整理し、忘れにくい仕掛けを環境に埋め込む発想をくれる。学術書と実用の間をつなぐ“運用設計書”として重宝する。

おすすめポイント:実験用に作ったToDoの〈実行意図〉テンプレが、そのまま仕事の抜け漏れ削減に効いた。

16. 記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術

 

 

競技記憶のトップが、手書き中心のワークフローと方眼メモの運用を公開。科学的効果が確立した〈生成効果/テスト効果/分散学習〉と相性が良く、実務の“覚える仕組み”に直結する。記憶術本の中でも再現性が高い部類だ。

おすすめポイント:3列メモ+色分けのルールをチームで統一しただけで、会議後の想起率が目に見えて上がった。

補足:記憶心理学/知覚心理学/認知心理学/思考心理学の違い

記憶心理学:体験がどう符号化(エンコード)→保持(貯蔵)→検索(想起)されるかを、実験・脳・発達・臨床・教育の横断で扱う。作動記憶・長期記憶(意味/エピソード/手続き)、忘却・干渉、メタ記憶、虚記憶、自伝的記憶、将来記憶などが主要テーマ。臨床・教育・司法・産業への応用が広い。基礎と応用をつなぐ良書は『記憶と日常』『記憶の神経心理学』『Remember 記憶の科学』など。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

知覚心理学:光・音・匂いなどの入力が、感覚器→神経処理→主観的経験になる過程を扱う。境界検出・色恒常・運動知覚・多感覚統合などが中核。記憶は知覚入力のゲートを通った情報の行き先として関与するが、研究の主座は“入力処理”にある。

認知心理学情報処理全体の枠組み。注意・知覚・記憶・言語・学習・推論・意思決定を俯瞰し、心的表象と処理アーキテクチャをモデル化する。記憶心理学は認知心理学のコア領域の一つで、互いに密接に依存する。総覧として『現代の認知心理学2 記憶と日常』が入門に適する。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

思考心理学(推論・意思決定):記憶“上”で動く推論・問題解決・判断を扱う。ヒューリスティクスとバイアス、確率判断、類推、創造性などが主題。長期記憶の知識量/作動記憶の容量/検索手がかりの設計が、思考の質を規定するため、記憶との往復が前提になる。思考系に触れる橋渡し本として『記憶・思考・脳』が手頃。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

──実務での使い分けは次のとおり。
・授業/トレーニング計画を立てるなら:認知→記憶→学習の順で枠→手段→運用を設計。
・面接/支援で“思い出せない”を扱うなら:記憶モデルで評価→必要なら神経心理・臨床へ橋渡し。
・意思決定や発想を改善したいなら:思考心理学のバイアス対策+記憶の〈生成効果/テスト効果〉を併用。
・教材やスライドをわかりやすくしたいなら:知覚心理学の原理(群化・対比・冗長符号化)で“入力”を最適化。

関連グッズ・サービス

読んだ知識を“長く使える記憶”に変えるには、〈取り出し練習〉と〈間隔反復〉を仕組みにするのが近道だ。音声・電子・紙の三点で環境を整えると、勉強も仕事も歩留まりが上がる。

  • Kindle Unlimited ― 記憶心理学の周辺(認知・学習・教育・神経)を横断読みできる。ハイライト検索で概念の表記揺れを素早く照合でき、引用元の確認が速い。
  • Audible ― 通勤や家事の耳時間で“取り出し練習”。章の見出しだけでも耳で反復すると、要点の再生が安定する。
  • Kindle Paperwhite 

     ― ハイライトとメモの同期が強力だ。用語・研究者名を引きやすく、読書ノートづくりの歩留まりが上がる。

小技として、スマホのメモに「【キーワード】→自力で定義する→例を一つ→反例を一つ→次に使う場面」をテンプレ化しておくとよい。テキストを読んだ直後に30秒だけ“自分の言葉で取り出す”だけで、想起率が段違いに上がる。

まとめ:今のあなたに合う一冊

記憶心理学は、エピソード・意味・手続きの三系統と、作動記憶・メタ記憶・将来記憶を行き来する“学びの設計図”だ。まずは基礎で仕組みの全体像を押さえ、次に応用で教育・臨床・仕事へ橋渡しし、最後に実装で日々の習慣に落とす。読後24時間以内に「取り出し練習を1問」「間隔を空けてもう1回」を実行すると、読書が長期記憶へ移行する。

  • 気分で選ぶなら:『Remember 記憶の科学』
  • じっくり基礎を固めるなら:『記憶と日常(現代の認知心理学2)』『記憶の心理学(太田信夫)』
  • 実務に落とすなら:『記憶心理学と臨床心理学のコラボレーション』『大学生と教員のための学校教育心理学』
  • 神経の視点を足すなら:『記憶の神経心理学』『記憶のしくみ 上(ブルーバックス)』

 

 

 

記憶の心理学

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今日の一手は、読んだ本からキーワードを3つ選び、明朝に“何も見ずに”1行で定義してみることだ。取り出す行為が、覚えておく力を育てる。

 

よくある質問(FAQ)

Q: 覚えたのにすぐ忘れる。最初に直すべき点は?

A: 〈読みっぱなし〉をやめ、翌日・3日後・7日後の“取り出し練習”を予定に組み込む。ノートを見ないで見出しだけ自力で要約し、間違いを見つけたら即修正する。

Q: 仕事の知識はどう記録すれば定着する?

A: 会議後10分で「決定事項→根拠→未決事項→次の一手」を自力で書き出す。作業名に「実行意図(いつ・どこで・何を)」を入れて将来記憶を支援する。

Q: 記憶術は科学的に有効?

A: 場所法などの連想術は“短期の大量暗記”に効く。一方で概念学習や問題解決には〈生成効果〉〈テスト効果〉〈間隔反復〉のほうが再現性が高い。用途で使い分ける。

Q: 年齢とともに物忘れが増えた。学習はもう遅い?

A: 低下しやすいのは作動記憶の一部と処理速度だが、意味記憶や語彙、戦略は伸びる。外部記憶(メモ・カレンダー)と取り出し練習を併用すれば、学習は十分に効く。

Q: 知覚・認知・思考心理学との違いは?

A: 簡潔に言えば、知覚は“入力の作られ方”、認知は“情報処理全体の枠組み”、記憶は“保存と取り出しの仕組み”、思考は“記憶の上での推論・判断”だ。本記事の各書で、順に地図→保存→運用→意思決定へ橋渡しして読めば混乱しない。

――必要なら、読書会用に「取り出し練習ドリル(7日分)」の雛形や、職場向けの“忘れないタスク設計テンプレ(実行意図+リマインダー)”も用意する。読書は、取り出して使った瞬間に記憶へ変わる。

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