社会保障論を学び直したいと思っても、制度の全体像から入るべきか、法から入るべきか、あるいは福祉国家論まで広げるべきかで迷いやすい。この18冊は、その迷いをほどくために、入門→制度理解→社会政策→比較→法へと自然に深まる流れで並べてある。読み終えるころには、年金や医療や生活保護をばらばらの制度ではなく、暮らしを支える一つの設計として見渡せるようになる。
まず押さえたい本命10冊
1. 社会保障論I[基礎編](単行本)
最初の一冊を選ぶなら、まずここから入るのがいちばん筋がよい。社会保障を単なる制度一覧ではなく、なぜこの仕組みが必要なのかという土台から見せてくれるからだ。教科書としての安定感がありながら、話が硬すぎない。
社会保障を学び始めたばかりのときは、年金、医療、介護、生活保護、雇用保険といった言葉がそれぞれ別の箱に見える。この本のよさは、その箱をひとつずつ並べるのでなく、そもそも何を守るために制度があるのかを先に通してくれるところにある。人が生きていくうえで避けられない不安や事故に、社会がどう備えるか。その見取り図が最初にはっきりする。
読んでいると、制度の背後にある発想が少しずつつながっていく。病気や失業は個人の責任として片づけられない局面があること、老後の所得保障は家族だけに預けられないこと、貧困対策には権利の視点が欠かせないこと。そうした論点が、空中戦にならず、地に足のついた言葉で並んでいく。
この本が向いているのは、学び直しを始めたい社会人と、大学の講義に入る前に一本芯を入れたい人だ。専門用語の多さで気持ちが引いてしまう人でも、最初の数章を読み進めるうちに、制度の話が自分の生活の延長にあるとわかってくる。
良い教科書には、読み手を急がせない落ち着きがある。この本にはそれがある。章をまたぐたびに、先ほどまで断片だった論点が少しずつ一枚の地図になっていく。机の上にノートを広げて読み進めてもよいし、通勤電車で少しずつ追っても崩れにくい。
独学では、最初の一冊が難しすぎると、そのまま社会保障そのものが遠のいてしまう。その点、この本は定番の入り口としてかなり信頼できる。わかりやすさだけに寄らず、次の本へ進むための骨格も残してくれる。
読み終えたあとに残るのは、制度の名前を覚えた感覚ではない。暮らしの不安を、個人と家族だけに背負わせないための仕組みとして社会保障を見る目だ。その目ができると、ニュースの読み方も変わる。
まず一冊だけ選ぶなら、迷わず候補に入れてよい。社会保障論の入口を、細すぎず、重すぎず、きちんと開いてくれる本である。
2. 社会保障入門2024(単行本)
制度の全体像をやさしくつかみたいなら、この本はかなり使いやすい。見開き単位で話が進み、情報の置き方が整理されているので、久しぶりに学ぶ人でも途中で迷いにくい。再入門の本として手に取りやすい一冊だ。
社会保障の本に苦手意識がある人は、文字の密度にまず圧倒されることが多い。この本はそこをうまくほどいてくれる。テーマごとの区切りがはっきりしていて、いま自分が何を読んでいるのかが見失われにくい。医療、年金、介護、子育て支援、生活保護といった領域が、それぞれ暮らしの場面に結びついて見えてくる。
ページを繰っていると、制度の名前が急に身近になる。病院の窓口で支払う医療費、親の介護が視野に入ったときの不安、失業したときの生活のつなぎ、出産や育児に関わる支援。抽象的だった言葉が、生活の温度を帯びて立ち上がってくる感じがある。
教科書としての厳密さより、まず入口の段差を低くしてくれるところが強みだ。だから、研究の定番を最初から読み切る自信がない人に向く。あるいは、大学時代に一度学んだけれど細部を忘れてしまった人が、現代の制度感覚を取り戻すために読むのにもよい。
やさしい本は、ときに薄さにつながってしまうことがある。しかしこの本は、やさしさを保ちながら、次の学びに進む足場を残してくれる。理解の手前で気持ちよく終わるのでなく、もっと知りたいというところまで連れていく。
読み心地も軽い。夜に数ページ読むだけでも区切りがつきやすく、疲れている日でも読み進めやすい。学び直しは気力勝負になりやすいので、この読みやすさは軽く見ないほうがいい。
社会保障論のおすすめを探していて、「まずは全体像をやさしく」と思うなら、有力候補になる。難しい議論の前に、制度の輪郭を手で触れるくらいの距離まで引き寄せてくれるからだ。
最初の勢いを失いたくない人には、とても相性がよい。入口でつまずかず、次の一冊へ進むための呼吸を整えてくれる。
3. 新・初めての社会保障論〔第3版〕(単行本)
タイトルどおり、初学者の足取りに合わせてくれる本だ。社会保障という言葉を聞くだけで少し身構えてしまう人にこそ向いている。専門用語が前に出すぎず、制度の考え方を一歩ずつ通してくれる。
この本のよさは、読者を置いていかないところにある。社会保障は、制度の対象、財源、権利、給付、負担と論点が多い。どこか一つで理解が止まると、その先が急に見えなくなる。この本は、その見えなくなる瞬間を減らしてくれる。言葉の置き方が丁寧で、説明の速度も落ち着いている。
とくに学び直しの場面では、「知っているつもりだったのに、実は曖昧だった」ということが何度も起きる。社会保険と公的扶助の違い、普遍主義と選別主義の感覚、家族と国家の役割分担。そうした基本線をきちんと立て直せるのがありがたい。
読むうちに、社会保障は貧しい人のためだけの制度ではないとわかってくる。誰にとっても、人生の途中で必要になる可能性がある。失業や病気や老いの話が、遠い誰かの問題でなく、自分の生活の延長に置き直される。
向いているのは、講義の補助テキストがほしい人、試験やレポートの前に基礎を整えたい人、そして専門書に入る前に足場を固めたい人だ。読みやすいが、ただのやさしい本では終わらない。学びの芯を作る役割をきちんと果たす。
言い換えれば、この本は入りやすさを甘さで作っていない。読者に寄り添いながら、社会保障の考え方を逃がさない。そこに、長く使える教科書らしさがある。
本棚に置いておくと、忘れた論点を戻り読みするのにも便利だ。最初の通読だけで終わらず、何度か開いて基礎を確かめる使い方ができる。
初学者向けのおすすめ本を探しているなら、この本はかなり堅実だ。地味だが、土台として強い。そういう本は、あとから効いてくる。
4. 社会保障論(単行本)
標準的な教科書を一冊持ちたいなら、この本は安定した選択肢になる。日本の制度だけに閉じず、海外の動きにも目を配りながら、社会保障を学問としてきちんと見渡せるつくりになっている。独学でも講義用でも扱いやすい。
社会保障論を学んでいると、個別制度の理解と、制度全体をどう捉えるかという視点のあいだを何度も行き来することになる。この本はその往復がしやすい。個別の話に入り込んで道を見失うのでなく、いつでも全体図に戻ってこられる。
読み味は少しきちんとしている。だから、軽快な入門よりは、腰を据えて学びたい人向けだ。けれど、重厚すぎて手が止まる感じではない。静かに積み上げていくタイプの本で、ページを追うごとに理解が沈んでいく。
この本が効くのは、社会保障を国内制度の説明だけで終わらせたくないときだ。福祉国家、比較、政策、社会構造との関係まで視野が少し広がる。制度の背後にある歴史や国際的な違いを意識し始めると、ニュースの見え方も変わる。
たとえば、少子高齢化の議論一つとっても、単なる財政の話ではなく、家族政策、雇用、ケア、世代間の負担配分に連なることが見えてくる。そうした横の広がりを感じたい人には、この本が合う。
読んでいる時間は、少し静かな図書館のようだ。派手さはないが、考えを整えるにはちょうどよい温度がある。急いで答えをくれる本ではなく、整理された道筋を示してくれる本である。
入門を一冊終えたあと、もう少し標準的な定番に進みたい人にすすめやすい。あるいは最初から教科書らしい一冊がほしい人にも向く。
長く使える社会保障論の基礎テキストを探しているなら、堅実に候補へ入れてよい。本格寄りだが、閉じた本ではない。
5. 社会保障(Next教科書シリーズ)(単行本)
講義用テキストに近い安定感が欲しいなら、このシリーズものは頼りになる。体系的に読み進めやすく、章立てが素直で、社会保障の基礎を順番に積みたい人に向いている。独学でも、大学の授業のようなリズムを作りやすい。
教科書には、読みやすさとは別のよさがある。論点が飛ばないこと、章ごとの目的が見えやすいこと、前の章で学んだことが次の章の支えになること。この本はまさにそのタイプで、社会保障の仕組みを順を追って理解したい人に向く。
社会保障の勉強は、なんとなく読んでいるだけだと頭に残りにくい。保険方式、公費負担、所得保障、現物給付、現金給付など、用語どうしの位置関係を自分の中で組み立てる必要がある。この本は、その組み立てを助けてくれる。
読んでいて感じるのは、無駄の少なさだ。話が散らず、制度の骨組みがまっすぐ立っていく。派手な本ではないが、学ぶ姿勢を整えるにはとても向いている。講義ノートの下敷きとして使うと、知識の抜けが見えやすい。
向いているのは、試験や資格のために体系立てて学びたい人、あるいは講義を受ける前に先回りして全体像をつかんでおきたい人だ。初学者にも読めるが、軽快な再入門というより、きちんと学び始める本である。
この本の強みは、社会保障を雑多な制度の寄せ集めとして見せないところにある。各制度がどう位置づいているかが、章を追うごとにすっきりしてくる。
ひとりで机に向かう時間が長い人ほど、こういう教科書の整い方が効く。読み終わったとき、学びの線路が一本通る感じが残る。
手堅く基礎を積みたいなら、かなりよい定番候補になる。派手さより、秩序を重んじる本だ。
6. 社会保障のトリセツ 第2版(単行本)
社会保障を暮らしの側からつかみたいなら、この本はとても入りやすい。病気、失業、障害、育児、介護、老後といった生活上の困りごとから制度に接続してくれるので、抽象論が先行しない。制度が何のためにあるのかを体感しやすい。
社会保障の教科書を読んでいると、ときどき自分の生活から遠のく感じが出る。この本はそこを引き戻してくれる。制度は紙の上の設計ではなく、生活のどこで支えになるのか。その接点が見えやすい。困った場面を想像しながら読めるので、理解が乾きにくい。
たとえば、急に働けなくなったとき、介護が始まったとき、子どもが生まれたとき、暮らしの収支が崩れたとき。そうした場面ごとに、何が使えて、どの制度がどう関わるのかが見えてくる。社会保障が“必要になってから調べるもの”ではなく、“先に輪郭を知っておくべきもの”だとわかる。
この本は、制度に関心はあるが、学問としての社会保障論から入ると構えてしまう人に向く。学生にもよいが、むしろ社会人の学び直しと相性がよい。自分や家族の生活に引き寄せながら読めるからだ。
読み味はやわらかい。それでいて、実用だけに閉じない。生活に沿った入口から入って、背後にある制度設計や権利の考え方へ視線を伸ばせる。そこがこの本の強さである。
机の上で読むより、リビングで読むほうがしっくりくるような本だ。けれど読み終えると、生活感だけでなく制度理解も残る。その両方を持ち帰れるのがよい。
社会保障に苦手意識がある人ほど、この本から入る価値がある。制度は冷たい話ではなく、生きることの現実に近いところで働いているとわかるからだ。
おすすめ本のなかでも、生活者の感覚を失わずに学びたい人にとくに合う一冊である。
7. 社会政策入門 これからの生活・労働・福祉(Basic Study Books)(単行本)
社会保障を制度単体で終わらせず、労働や福祉を含む広い社会政策の流れの中で理解したいなら、この本が効く。社会保障は単独で存在しているわけではない。そのことを自然に見せてくれる一冊だ。
社会保障の議論が難しくなるのは、制度そのものの仕組みだけでなく、雇用や家族のあり方、地域の支え、国家の役割まで絡んでくるからである。この本は、その広がりを整理してくれる。暮らしを守る政策は一枚の布のようにつながっていることが見えてくる。
読んでいて感じるのは、社会保障を“給付の話”だけに閉じない視野の広さだ。働けるかどうか、子どもを持てるかどうか、ケアをどう分け合うか、生活困窮をどこで食い止めるか。そうした問いが、制度の外側からではなく、制度の内側にある課題として見えてくる。
この本は、個別制度を覚える勉強に少し窮屈さを感じ始めた人に向く。社会保障をもっと広い社会の設計として見たい人にとって、視界がぐっと開く。制度が社会の変化にどう押され、どう応答してきたかという流れがわかる。
読み味は教科書らしいが、息苦しさは少ない。生活、労働、福祉という三つの言葉が章のあいだで反響し合って、読後に残る。ひとつの制度だけ見ていたときには見えなかったつながりが見えてくる。
就職氷河期、非正規雇用、ケアの家庭化、少子高齢化。こうした現代の社会問題を、断片的なニュースでなく政策の構造として考えたい人にも向いている。
社会保障論の本棚に、この本が一冊入るだけで奥行きが変わる。制度を学ぶ本から、社会を読む本へ、一歩踏み出せるからだ。
個別制度の先にある風景まで見たい人にすすめたい。学びを横に広げてくれる良書である。
8. よくわかる社会政策[第3版] 雇用と社会保障(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)(単行本)
雇用と社会保障を切り離さずに学べるのが、この本の大きな魅力だ。働き方の変化と制度の変化を一緒に追えるので、現代の社会保障が抱える課題を立体的に見やすい。学び直しの途中で視野を広げたい人にぴったり合う。
いまの社会保障を考えるとき、雇用を抜きにすることはできない。安定した雇用が崩れたとき、どこまで社会保険が支えられるのか。ケアを担う人の働き方が脆いとき、福祉はどう成り立つのか。この本は、そうした問いをまっすぐ扱う。
読みやすさにも配慮がある。シリーズ名どおり、難解さで読者をふるい落とすのでなく、論点を見える場所へ置いてくれる。だから、社会政策の定番に初めて触れる人でも入りやすい。
社会保障だけを読むと、制度はでき上がった器のように見える。しかし雇用と重ねて読むと、その器が経済や働き方の変化で揺れていることがわかる。非正規雇用、女性就業、家族形態の変化、貧困の再生産。そうした論点が生きたものとして立ち上がる。
向いているのは、制度理解を現代社会の問題と接続したい人だ。政策の話を現実から浮かせたくない人に合う。社会学、社会政策、労働問題にまたがる視点を持ちたい人にもよい。
読んでいると、ニュースで見かける言葉の意味が少し深くなる。雇用対策、子育て支援、最低賃金、社会保険適用拡大。個別の政策が、ばらばらの話でなくひとつの線でつながっていく。
柔らかい入口と、しっかりした中身のバランスがよい。入門を終えたあとの一冊として、とても使いやすい。
制度と労働市場の接点に関心があるなら、かなり満足度の高い本になる。視野が横に開く感覚を味わえる。
9. 現代日本の社会保障 新版(BASIC BOOKS)(単行本)
日本の社会保障を、現状と政策課題まで含めて腰を据えて学びたいなら、この本がよい。入門を一段抜けて、制度の現在地をしっかり見たい人向けの標準書である。読み応えがあり、密度もある。
社会保障論の勉強である段階から必要になるのは、やさしさより整理の深さだ。この本は、その段階の読み手に合う。年金、医療、介護、生活保護、子育て支援などの制度を、いまの日本社会の構造変化と結びつけながら読める。
読んでいると、制度がただ存在しているのでなく、財政、人口構成、家族の変化、労働市場の流動化のなかで揺れていることが見えてくる。現代日本という言葉の重さが、ページのあちこちに沈んでいる。
この本は、学びを一段深めたい人に向く。最初の一冊にはやや骨太だが、入門を終えたあとなら、その骨太さがむしろ心地よい。ニュースや政策論争を、表面的な賛否でなく構造として考える助けになる。
たとえば、高齢化や少子化をめぐる議論も、抽象的な危機感ではなく、制度設計の具体的な課題として見えてくる。どの制度が何を支え、どこに歪みが出ているのか。その輪郭がはっきりしてくる。
文章には少し張りがある。だから、時間のある日に机に向かって読むのが似合う。線を引きながら、前の章に戻りながら読むと、理解がぐっと深まる。
独学でここまで読めると、社会保障の話題に対する見方がかなり変わる。細かな制度知識より先に、どこが争点なのかが見えてくるからだ。
定番寄りの一冊を探している人や、現代日本の社会保障をまとまりとして捉えたい人には、とてもすすめやすい。
10. 福祉国家 救貧法の時代からポスト工業社会へ(単行本)
制度の細目を越えて、なぜ福祉国家が必要になったのかを考えたいなら、この本は外せない。社会保障を歴史と理論の流れの中に戻してくれる。目の前の制度を学んでいるだけでは届かない地平が開ける。
社会保障の議論は、どうしても現在の制度運用に引っぱられやすい。だが、そもそも国家がどこまで生活保障を引き受けるべきかという問いは、長い歴史を背負っている。この本は、救貧法の時代から福祉国家の形成、そしてポスト工業社会にいたるまでの流れを追いながら、その問いを再び生きたものにする。
読んでいると、社会保障が単なる行政サービスではなく、社会の価値観を映す鏡だとわかってくる。誰を支えるのか、どこまで支えるのか、家族や市場との境界をどう引くのか。その線引きの歴史が、静かだが濃い手触りで迫ってくる。
この本は、すぐ役立つ制度知識を求める人よりも、背景を深く理解したい人に向く。けれど、理論だけの遠い本ではない。現代の日本を考えるうえでも、福祉国家の発想がいまどこで揺れているのかを見せてくれる。
読むと少し視点が高くなる。日々の政策論争を、短いニュースの言葉だけで受け取らなくなる。負担と給付、普遍主義と選別主義、家族責任と公的責任。そうした対立が、歴史の厚みを持って見えてくる。
夜更けに静かな気持ちで読むのが似合う本だ。すぐに読み飛ばせるタイプではないが、立ち止まる価値がある。ページを閉じると、自分がいま生きている社会の制度が、偶然ではなく積み重ねの上にあると感じる。
社会保障論のおすすめ本を探していて、制度の奥にある思想まで知りたいなら、この本はかなり強い。学びを縦に深くしてくれる。
入門のあとに読むと、なぜこの分野を学ぶのかという気持ちそのものが少し変わる。そういう力を持った本である。
追加の8冊
11. 世界はなぜ社会保障制度を創ったのか 主要9カ国の比較研究(単行本)
国ごとの差を比較しながら、社会保障制度の成り立ちを見たい人に向く。日本だけを見ていると当たり前に思える制度設計が、歴史も文化も違う国ではまったく別の形をとることがわかる。比較の目を持つと、制度への理解が急に深くなる。
一国の制度を学んだあとに読むと、とても効く。本棚の中に国際比較の一本があるだけで、社会保障論は一段広くなる。
12. 社会保障法入門 第3版(単行本)
社会保障を法の仕組みとして理解したい人の入口にちょうどよい。制度の趣旨と法的骨格が簡潔に整理されていて、法学に苦手意識があっても入りやすい。制度説明だけでは見えにくい“なぜその形なのか”が少しずつ見えてくる。
社会保障法の最初の一冊として、かなり素直にすすめられる。
13. 入門 社会保障法(Basic Study Books)(単行本)
人生で起こる出来事に沿って法と制度を解説してくれるため、抽象的な条文の話で終わらない。働く、病む、老いる、育てるという生活の流れに法を重ねて読めるのが強みだ。法学の本にありがちな距離感が少なく、学び直しにも向く。
生活感覚を失わずに社会保障法へ入りたい人に合う一冊である。
14. 社会保障法〔第2版〕(有斐閣ストゥディア)(単行本)
コンパクトに全体像を押さえつつ、論点の配置がきれいで、学部レベルの教科書として非常に使いやすい。図表も入り、整理しながら読み進めやすい。法まで固めたいが、いきなり重い基本書はまだ早いと感じる人にはちょうどよい。
入門と本格書のあいだをうまくつないでくれる本である。
15. 社会保障法〔第8版〕(有斐閣アルマ)(単行本)
定評あるスタンダードテキストで、薄すぎず重すぎず、独学でも講義用でも使いやすい。社会保障法の主要論点を一通り押さえたいときに安定感がある。法学寄りの視点で制度を見直したい人にとって、長く手元に置ける一冊になる。
法の定番を一本入れるなら有力な候補だ。
16. よくわかる社会保障法 第2版(単行本)
条文や仕組みを噛み砕いてつかみたい人向けのやさしい一冊だ。社会保障法は言葉の壁が高く感じられやすいが、この本はそこを低くしてくれる。法の本に入る前の不安を和らげたい人に向いている。
法律用語で気持ちが止まりやすい人ほど、こういう本が効く。
17. ブリッジブック社会保障法(第3版)(ブリッジブックシリーズ)(単行本)
その名のとおり、橋渡し役として優秀な本である。入門のやさしい本から、もう少ししっかりした法テキストへ進むあいだに置くと、理解の段差が小さくなる。法学初学者がつまずきやすいところをうまく越えやすい。
法への移行期に置いておくと安心できるタイプの一冊だ。
18. 社会保障法(単行本)
入門を一冊終えたあと、理論や制度理解を一段深めたい人に向く本格寄りのテキストである。社会保障法を単なる制度整理で終わらせず、考え方の筋道まで追いたいときに頼りになる。読み応えはあるが、そのぶん得るものも大きい。
法から社会保障を立体的に見たい人にとって、最後の押し込みになる一冊だ。
関連グッズ・サービス
本を読んだ後の学びを生活に根づかせるには、生活に取り入れやすいツールやサービスを組み合わせると効果が高まる。
電子書籍で少しずつ読み進めたい人には、定額読み放題の導線があると学び直しが続きやすい。移動中や寝る前の細切れ時間でも、本との距離が縮まる。
耳から内容を入れたい人には、音声で関連分野へ触れる習慣も相性がよい。制度や福祉国家のような少し骨太のテーマは、歩きながら聞くと意外と頭に残る。
もう一つあると便利なのは、薄いノートかメモアプリだ。制度名だけでなく、「誰のどんな不安を支える制度か」を一言で書き残していくと、知識がばらけにくい。学問としての理解と、生活感覚としての理解がつながりやすくなる。
まとめ
社会保障論の本を読む時間は、制度を覚える時間というより、暮らしがどこで支えられているかを知る時間に近い。最初の入門書では、医療や年金や生活保護が一本の線でつながり、社会政策の本では働くことと福祉の結びつきが見え、福祉国家や比較研究では日本の制度を少し離れた場所から見直せるようになる。法の本まで進めば、その制度がどういう理屈で成り立っているかも見えてくる。
- まず全体像をつかみたい人は、1・2・3から入る
- 制度を社会の構造と結びつけたい人は、7・8・9・10へ進む
- 法まで固めたい人は、12以降を順番に重ねる
いまの自分に合う入口から始めればよい。社会保障は、知れば知るほど、生活の見え方を静かに変えていく。
読む順で迷ったときの入り方
社会保障論は、いきなり細目に入ると息切れしやすい。そこで、まずは自分の関心に合わせて入口を決めると読みやすくなる。
- 制度の全体像から入るなら、1 → 2 → 3 → 7 → 10
- 暮らしとの接点から入りたいなら、6 → 2 → 8 → 9
- 法まで固めたいなら、1 → 12 → 14 → 15 → 18
最初の一冊で肩に力を入れすぎないことが大事だ。社会保障は、ひとつの制度を暗記して終わる分野ではない。病気、失業、出産、老い、障害、貧困といった人生の揺れを、社会がどう受け止めるかを考える学問だからだ。最初は輪郭をつかみ、次に線を太くし、最後に制度の理屈や国ごとの差へ進む。その順番のほうが、頭にも生活感覚にも残りやすい。
FAQ
社会保障論は、どの本から読み始めるのがいちばん無理がないか
最初の一冊だけ選ぶなら、『社会保障論I[基礎編]』か『社会保障入門2024』が入りやすい。前者は制度の骨格をきちんとつかみたい人向け、後者はやさしく全体像を眺めたい人向けだ。学び直しでは、難しすぎる本から入らないことのほうが大切である。
社会保障論と社会政策、どちらを先に読むべきか
最初は社会保障論から入るほうがわかりやすい。制度の輪郭が見えてから社会政策へ進むと、雇用や家族、福祉とのつながりが理解しやすくなる。ただ、働き方や貧困の問題意識が強い人なら、『社会政策入門』や『よくわかる社会政策』を早めに読むのもよい。
社会保障法の本は、法律の知識がなくても読めるか
読める。いきなり本格的なテキストに入ると硬く感じるが、『社会保障法入門 第3版』『入門 社会保障法』『よくわかる社会保障法 第2版』あたりは、法学初学者にも入りやすい。制度の説明を一度読んでから法の本へ行くと、条文や仕組みの意味がぐっとつかみやすくなる。
古い定番と新しい入門書なら、どちらを優先したほうがよいか
最初は新しい入門書を優先したほうがよい。制度は改正があり、用語や論点の置き方も変わるからだ。そのうえで、背景や理論を深めたくなったら、福祉国家論や比較研究の本へ進むとよい。順番としては、いまの制度感覚をつかんでから歴史や理論へ戻るほうが、理解が安定しやすい。
![社会保障論I[基礎編] 社会保障論I[基礎編]](https://m.media-amazon.com/images/I/41thhX2907L._SL500_.jpg)






![よくわかる社会政策[第3版]:雇用と社会保障 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ) よくわかる社会政策[第3版]:雇用と社会保障 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)](https://m.media-amazon.com/images/I/41Dz6pXh+9L._SL500_.jpg)









